吉井: カインズで販売している商品の中から、Style Factoryのコンセプトや雰囲気にあったアイテムを集めました。ひとことで言えば「オシャレなモノ」。棚には1万3000〜1万4000アイテムほどを並べたわけですが、洗濯コーナーを見ると「あれ?」と感じたんですよね。正直に言うと「ダサかった」。
土肥: ダサいって……。どのようにダサかったのでしょうか?
吉井: 他の商品はパッケージを刷新していたのですが、洗濯系のモノは店のオープンに間に合わなかったようで。既存の白っぽいパッケージが並んでいて、パッと見たところ「箱が並んでいるなあ」といった印象を受けました。
担当者もその光景を見て、かなり凹んでいました。自分たちが扱っている商品って、他のモノと比べてこんなにダサかったのかと。なぜ棚に並べるまでそのことに気付かなかったのかというと、カインズの売り場面積は広くて、商品がたくさん並んでいるから。大型店になると、12万〜13万アイテムを扱っているので、目立たなかったんですよね。新しい店では悪目立ちをしてしまったのですが、それでもよく売れました。担当者は「ホッ」としていたのではないでしょうか。
土肥: パッケージデザインがむむむ……という商品もあったようですが、来店客数はどうだったのでしょうか? 個人的には、このビジネスはひょっとしたらひょっとするのでは? と分析しているんですよね(キラーン)。なぜなら商業施設の中にDIYを軸にした店って、これまでなかったと思うので。
吉井: 周囲にはたくさんのオフィスがあって、商業施設にはたくさんのビジネスパーソンが来られるのですが、フードコートに入っていき……(モゴモゴモゴ)。
土肥: 要するに、客数が少ない?
吉井: 想定よりもお客さんの数が少なくて……胃がやられちゃいました(苦笑)。ただ、社内の評価はまずまずだったんです。私たちは自分たちのことをダサいと思っているのですが、Style Factoryはオシャレ。店で働いているスタッフの意識は高いので、なんとかなるのではないかと考えていました。
土肥: 想定よりも客数は少なかったかもしれませんが、そのときに2号店の話は進んでいたのでしょうか?
吉井: いえ、全く。先ほども申し上げた通り、都市部に出店したこともなければ、商業施設の中で運営したこともない。ということもあって、売り上げはどのくらいになるのかさっぱり分からない状況の中でスタートしました。
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