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» 2018年11月29日 08時30分 公開

美名のもとに遂行される「政府シナリオ」:公務員65歳定年制の導入は「若者の賃金搾取」と「解雇規制緩和」の序章だ (3/5)

[溝上憲文,ITmedia]

公務員から民間に広がった「週休二日制」

 一億総活躍を謳(うた)いながら公務員の定年を引き上げるのはやや突飛な印象を受けるが「かつて完全週休二日制が公務員主導で社会に定着していったように、公務員の定年引上げが民間の取組を先導し、我が国全体の一億総活躍社会をけん引することも期待される」(65歳以上のシニアの働き方・選択の自由度改革PT提言)と書かれているように、民間企業の65歳定年制を促す狙いがある。

 同本部で中心的な役割を担った国会議員も定年引き上げの理由についてこう語る。

 「中小企業はすでに65歳定年を超えて70歳以上でも継続して雇用している。中小・零細企業は、元気であればずっと働いてほしいという時代に変わってきた。一方、変わっていないのが、実は大企業と公務員だ。今までいろんな議論があったが、まず公務員の現場から変えていくことで、民間も含めて65歳現役社会にしていこうということだ」

 公務員の定年の引き上げによって民間の65歳定年を促進し、法定定年年齢を65歳にしたいとの思いがあるのだ。公務員の定年引き上げについては、改正法案を来年の通常国会に提出する方向で検討されている。

 今後、公務員の65歳定年制の導入が法定定年年齢の65歳への引き上げにつながり、そして70歳までの雇用確保を義務付けるという「政府のシナリオ」が現実味を帯びつつあるのだ。

phot 「“頑張っているアナタに見合ったお給料”が払われ、老後の生活が確保できる日本をつくりたい」と主張している(片山さつき氏のWebサイトより)

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