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18年版「ブラック企業大賞」9社ノミネート 野村不動産、スルガ銀、財務省など“有給チャンス問題”のジャパンビバレッジも(2/3 ページ)

» 2018年12月05日 14時52分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

三菱電機、日立製作所など著名企業も

・三菱電機: 14〜17年にかけて、男性社員5人が長時間労働に起因する精神障害や脳疾患を発症し、相次いで労災認定されていたことが発覚した。このうち3人には裁量労働制が適用されており、その中の2人は過労自殺を遂げていた。

 自殺した男性の1人は技術職についており、システムの不具合を修正するため月100時間を超える残業を数カ月繰り返していた。

・日立製作所、日立プラントサービス: 13年に日立製作所に新卒入社し、のちに日立プラントサービスに出向した20代社員が精神疾患を患っていたことが発覚。同社員は富山県の工事現場で設計・施工管理監督を行っていた際、月に100〜160時間もの時間外労働を余儀なくされた。また、上司から「いらない」「目障りだから帰れ」「仕事辞めてしまえ」などの暴言も吐かれていた。

 また、山口県の笠戸事業所で、数百人のフィリピン人技能実習生を不正に働かせていたことも発覚。本来は配電盤や制御盤などの電気機器組み立てを任せるはずが、実際は窓・排水パイプ・カーペット・トイレなどを鉄道車両に取り付ける作業をさせていた。在留資格の更新ができないことを理由に、すでに99人の技能実習生が解雇されていることも分かっている。

・ジャパンビジネスラボ: 同社は都内で語学学校を運営している。14年、英語講師を務めていた正社員の女性が、育児休暇中に子どもを通わせる保育園をみつけられず、休暇の延長を求めた。これを受けた同社は「正社員への契約変更が前提」とした上で、週3日・契約1年の有期雇用への転換を条件に延長を認めた。

 女性は1週間後に保育園をみつけ、職場復帰を希望したが、同社は正社員への復帰を拒否。15年には「期間満了」を理由に雇い止めをした。女性は面談で上司から「俺は彼女が妊娠したら、俺の稼ぎだけで食わせるつもり」などの言葉を掛けられた。18年9月、東京地裁は、同社の雇い止めを無効とする判決を下した。

・ジャパンビバレッジ東京: ある支店の支店長がクイズを出し、正解者のみに有給休暇の取得を認める“有給チャンス”と呼ばれるパワハラを行っていたことがネット上で話題になった。「事業場外みなし労働時間制度」を違法適用しており、社員に月間100時間を超える時間外労働を課していたことも発覚した。

photo ジャパンビバレッジによる“有給チャンス”問題の謝罪文

・ゴンチャロフ製菓: 神戸市に本社を置き、チョコレートや焼き菓子を製造している同社は、16年6月に当時20歳の男性社員が電車に飛び込んで自殺。のちに長時間労働と上司によるパワハラが原因であることが発覚し、18年6月に労災認定された。

 同社は製造に失敗した菓子を牧場に送り、動物のえさとして再利用しているという。そのため男性はミスをすると、上司から「牛のえさ、つくりに来とんか」と責められ、辞意を申し出ると「お前の出身高校からはもう採用しない」と言われていた。また、この男性は月約80〜100時間の長時間労働も余儀なくされていた。

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