「キングカズではない。キングジムである」 中の人に聞く、愛される“伝え方”水曜インタビュー劇場(妹公演)(3/6 ページ)

» 2018年12月19日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

やわめ、かための黄金比率

土肥: リリースに書かれていないことを紹介する、ということは担当者に取材しているのですか?

妹: はい。担当者に「なぜこの商品をつくったのですか?」「どういった人に使ってほしいですか?」といったことは必ず聞くようにしています。変なネーミングであれば、「なぜこんな名前にしたのですか?」を聞いて、その情報をTwitterで紹介することも。

 このようなやりとりをしているので、多くの担当者は姉妹が何を求めているのか、少しずつ分かってきたのかもしれません。「このネタ、Twitterで使えると思うんですよ」「こういうネタはどうかな」といったやりとりが増えてきました。

 ただ、やわらかいネタばかりだと、フォロワーさんも疲れてしまうかもしれません。「またかよ」「もう飽きたよ」といった感じで。そうなってはいけないので、商品情報もきちんと紹介することにしています。先ほど申し上げたように、その際にはリリースをコピペするのではなく、話し言葉を交えながら紹介しています。

土肥: やわめ、かための黄金比率はあるのですか?

妹: ズバリ、7:3ですね。やわめが7割、かためが3割。きちんとした情報を知りたい人もいらっしゃるので、バランスを考えながらつぶやくようにしています。

土肥: やわめのネタが7割ということですが、「これを書いたら炎上しないかなあ」「大丈夫かなあ」と不安を感じることはないですか?

妹: 炎上に関しては、「こういうことをしてはいけません」といったマニュアルはありません。ただ、政治、宗教、特定のスポーツチームには触れないようにしています。あと、けなされたり、傷つけられたりすると、人って怒りますよね。「チョコレートは甘いから、嫌い」と書くと、チョコ好きな人はいい感じで受け止めません。というわけで、嫌な気持ちにさせたり、傷つけたりしなければ、大きな炎上にはならないのかなあと。

 「なぜそんなことを書くのですか?」といった指摘があった場合でも、真摯(しんし)に対応するようにしています。火だねがあるにもかかわらず、そこにきちんと対応しなければ、炎上に発展するかもしれません。そうなってはいけないので、ダメなことはしっかり謝るようにしています。そこは徹底しています。

土肥: やっちゃったなあという経験はありますか?

妹: ワタシは観劇が大好きなので、「先日、〇〇を見てきました。とてもよかったです」とつぶやいたところ、別の劇団で活躍されている人から「よかったらウチにも来てください」という連絡をもらって、その舞台に行ってきました。

 無料で招待されたことをツイートしたところ、「チケットを買った人もいるのに、招待されたことを書くなんて、おかしくないですか?」という意見をいただきました。この指摘をされたとき、確かにそうだなあと受け止めたので、「すみませんでした。以後、気をつけます」と謝罪したところ、その後大きな事態には発展しませんでした。

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