土肥: ドンキといえば、巨大な店舗を構えて、商品が高く積まれているといったイメージがありますよね。複雑な陳列をすることで、宝探しのようにショッピングを楽しむことができる。その一方で、数年前から小さな店舗が増えてきました。商品数を見ると、通常店は4万〜6万ほど扱っているのに、JR大阪駅構内にできた店舗は1万5000ほど。
この話を聞いたときには「3分の1ほどになったのか」と驚いたのですが、その後どんどん少なくなる。羽田空港の店舗では約2000アイテムになって、「もうこれが限界かな」と思っていましたが、今年10月、高速道路のSA内に誕生した「ミチドンキ」では約1000アイテムしか扱っていません。売り場面積は羽田空港の店舗と同じくらいなのに、なぜこれほど商品数を絞っているのでしょうか?
大石: 高速道路のSAに立ち寄るお客さまの多くは、あまり時間がないんですよね。観光バスに乗っていれば、トイレ休憩で降りて、10分後に出発するといった感じ。あまり時間がないなかで、商品数を多くすると、お客さまは「どの商品を買えばいいのか」と迷われるかもしれません。「あれにしようかな。いや、これにしようかな」と。迷っているうちにバスが出発してはいけませんので、商品数はできるだけ絞り込みました。
土肥: 一般的なドンキと比べて、客層はいかがでしょうか?
大石: かなり違いますね。高速道路のSAに来られる人は、買い物を目的にしていないケースが多い。一般的なドンキの場合、多くの人がその店で買い物をするために来店されるのですが、ここは違う。運転していて疲れたから、トイレに行きたいから、お昼ご飯を食べたいから、といった理由で来られるので、そうした人たちに向けて店づくりをしていかなければいけません。
では、どのようにしているのか。ズバリ、価格の安さですね。SA内に出店するにあたって、市場調査を行ったところ、当社のように安く販売しているところはなかったんですよね。そうした状況なので、価格の安さが響けば、来店していただけるのかなあと。
土肥: ふむ。他のドンキでもよく見かけますが、うまい棒を1円で販売している。ということは、これまで培ってきた知見を、SA内にもどんどん注入しているといった形ですか?
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