SAに登場した「ミチドンキ」が、商品をどんどん入れ替えるワケ水曜インタビュー劇場(少ない公演)(5/6 ページ)

» 2018年12月26日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

仮説が当たらない背景

土肥: ドンキは売り上げが伸びていますよね。「この商品は、このくらい売れる」といったデータはあるはずなのに、なぜSA内では仮説がなかなか当たらないのでしょうか?

大石: どういった人が来店されるのか、を予想するのがかなり難しいんですよね。サラリーマンも来られるし、家族でも来られる。子ども、お年寄り、ライダーなど。そうした人たちに対応していたら、観光バスが来て、たくさんの外国人観光客が来られる。しかも、国によって、購入するモノが違ってくる。

 客層だけでなく、天候にも大きく影響を受けるんですよね。雨が降ると、売り上げが鈍くなる傾向があるのですが、それだけではありません。気温によっても大きく違う。寒くなると、SA内で用事を済ませて、すぐにクルマに戻られる人が多い。こうした行動も、予測しにくい。このほかにも他のドンキと違う点が多いので、日々、修正・修正といった感じ。

 なぜ頻繁に修正することができるのかというと、売り場面積が狭いから。通常のドンキであれば、たくさんの商品を扱っているので、半分も入れ替えてしまうと大改装になってしまう。ただ、ここではできる。小さな店舗のメリットを生かして、これからもいろんな変化に対応していかなければいけません。

土肥: 店内を見ていて、気になったことがひとつあるんですよ。それは「土産物」がほとんどないこと。店舗が静岡県にあるので、お茶などを販売していますが、少ないですよね。SA内の店舗といえば、名産品をどーんと置いていて、たくさんの人がそれに群がっているイメージが強い。なぜ、鉄板商品ともいえる名産品を置かないのでしょうか? 静岡で有名な「こっこ」や「うなぎパイ」を販売すれば、売り上げは伸びますよ。

大石: ご指摘の通り、人気の名産品を販売すれば、売り上げは伸びるでしょう。販売することはできるのですが、しません。なぜか。SA内の他の店舗で名産品を販売しているので、当社がそこに手を出してしまうと、先方に迷惑をかけてしまうから。施設内のすべての店舗がウィンウィンの関係でなければいけないので、名産品を販売することはできません。

 あと、「ドンキ=安い」というイメージがあるかと思うのですが、このことによってお客さまに迷惑がかかるかもしれません。

土肥: どういうことですか? 安いことで迷惑がかかるって。

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