選択的シングルマザーが社会に受け入れられているフランスでは、17年、先進国の中でも高い合計特殊出生率1.88を記録。その6割が、結婚していない親からの出生でした。それだけではありません。「どんな家族のカタチであれ、子の権利は同じ」という政治的理念のもと、パリ市では教育と保育福祉には徹底的にお金を使い、全ての子どもたちが同じように質の高い保育と教育を受けられる工夫が施されています。
一方、日本では、未婚の母子家庭は死別・離別のひとり親に適用される寡婦控除を受けられないなど、税控除や行政の助成の対象から外されてしまうのです。
さて、麻生氏の発言がいかに見当違いか、お分かりいただけましたね。政治家の一つの決断が“世間のまなざし”を変えることは往々にしてあります。こういうときこそ世界を見よ! 世界をまねろ! と心から思います。
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。
研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)
「いい加減にしてよアグネス」から30年 “子連れ出勤”論争に根付く3歳児神話の呪縛
なぜLGBT後進国ではダメなのか 「国つぶれる」発言を覆す“伝説のスピーチ”
子どもを持つのは国のため? 「3人以上産んで」発言に潜む“幻想”
“やりがい搾取”に疲弊 保育士を追い詰める「幼保無償化」の不幸
「1カ月の夏休み」は夢? 日本人の“有給の取り方”がズレている、歴史的背景Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング