選択的シングルマザーは「Single Mother by Choice=SMC」の和訳で、アメリカの心理療法士ジェーン・マテス氏が今から40年近く前の1981年に使ったのがきっかけで、世界中に広がりました。
「彼女たちは独身でありながら、母親になることを選択した人。心身共に成熟した大人の女性であり、責任感にあふれている。そして、シングルマザーになったことについて、被害者意識をもつのではなく、むしろ力づけられたと思っている人たちである」と、マテス氏は選択的シングルマザーを評します。
「選択的シングルマザーなんて!!」と目を釣り上げている人も多いかもしれませんが、世界では決して珍しい存在ではありません。特に2006年に民法を改正し、婚外子も婚姻関係から生まれた子と同一の権利が得られるようになっているフランスでは、社会的に広く認知され、偏見のまなざしは存在しません。
それでもやはり「選択的夫婦別姓」でさえ反対意見が多い日本ですから、彼女たちに注がれるまなざしは半端なく冷たい。いや、それだけなら「選択的」に未婚を選んだ女性も我慢できるかもしれません。問題は「未婚」というだけで、会社を辞めなくてはならないリアルです。
実際、私がインタビューした43歳の女性もそうでした。
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