球場で観客を楽しませる取り組みなら、他の球団でもやっている。そう思うかもしれない。だが、ベイスターズは球場の外に飛び出し、地域を巻き込んでいく活動にも注力している。
18年8月、横浜の街を舞台にした一大イベントを成功させた。「勝祭(かっさい)2018」だ。その中の催しの一つとして、球場に隣接する「日本大通り」を封鎖。ライブステージを設けたり、飲食や物販のエリアを設置したりして集客した。チケットを買わなくても参加できることから、2日間で約2万5000人が来場した。
「近年はチケットが取りづらくなったことが課題。チケットがなくても楽しめる場を提供できれば」と林氏は話す。
その一環として、横浜の街で公式戦の「ライブビューイング」も実施している。17年に無料の「パブリックビューイング」を実施して好評だったことから、18年に有料イベントとして新設。8〜9月に、百貨店の屋上ビアガーデンやホテルなどでライブビューイングを実施した。「街中で野球を楽しむ」という体験を提案している。
さらに、18年3月にはオフィシャルグッズショップも球場を飛び出し、横浜駅に出店。11月からはみなとみらいの商業施設内にも期間限定で出店している(19年4月中旬まで)。また18年9月には、東急東横線、みなとみらい線と連携してラッピング電車を走らせ、その電車に乗って球場に来てもらうツアーイベントも開催した。
地域との取り組みで掲げるのは「スポーツタウン構想」だ。スポーツの力を街づくりや産業振興に生かす。「(横浜スタジアムの)来場者は7〜8割が横浜市民と神奈川県民の方。ベイスターズは地域とともにあるのです」と林氏は話す。
林氏は「ホームゲームは年間70試合しかなく、1試合の時間は3時間ほど。試合だけでは接点が少ない」と指摘する。市民と県民の全体を“潜在客”と考え、イベントやショップなどを通じて接点を増やし、顧客を広げようとしている。
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