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» 2019年03月01日 07時45分 公開

「内省と対話」を繰り返して得たもの:麻布、東大、興銀……エリートコースをあえて捨てた男の仕事論 (3/6)

[森永康平,ITmedia]

「会社がなくなる」

―――銀行業務というと、融資というイメージがあります。その融資業務でやりがいを覚えたとなると、銀行でどんどん実績を積んでやろう!と思う気もしますが、その後に興銀を退職されますよね? なぜでしょうか?

 融資面白い! 銀行業務面白い! まさにそう思っていました。取引先に泣きながら喜んでもらったことが本当にうれしかったから、銀行で働くことがとても楽しく感じられたのです。

 それでも辞めたのには、いくつか理由がありました。まず、銀行の自己資本比率規制である「BIS規制」などが適用されたこともあって、銀行業界自体が厳しくなってきたんですよね。つまり、ビジネスチャンスがあっても、お金を融通できなくなってしまったんです。そこに融資すればビジネスが大きくなるじゃんと思っても、全然融資できなくなってしまった。

 つぎに、興銀が興銀じゃなくなるということになりまして。せっかく興銀で頑張っていこうと思っていたのに、合併することになっちゃった。別に会社が倒産するというわけではなかったんだけど、私の中では「会社がなくなる」ということだった。寂しさがありましたね。

 最後に、銀行はしょせん「サポーターにすぎない」と私には思えてしまった点ですね。すごく大事な機能なんだけど、融資するまでは一緒に頑張れるけど、融資してからの使い道は借り手の企業がやることなんですね。それで、より事業の前線に近いところにいきたいと思うようになったんです。そう考えるようになったのは、銀行で取引先と事業について語り合った経験が大きかったので、銀行に行ったのは間違いじゃなかったと思います。

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