では、どうすればいいのか。
個人的には、遅かれ早かれ、コンビニ3社で話し合って「店舗の共有化」を進めていくしか道はないのではないかと思っている。1つの店舗の内部に、複数のコンビニがシェアハウスのように同居するのだ。
もちろん、ただガッチャンコしただけでは、とても1つの店舗に収まりきらない。そこで同じような品ぞろえをしている売り場に関しては、思い切って「共有」してしまうのだ。
一部限定商品はあるものの基本的に、飲料、菓子、生活用品、雑誌などはどこのコンビニもそれほど品ぞろえに大差はないので、このあたりは入居するFCオーナーたちの共同経営にしてしまう。一方、コンビニごとに差別化している商品、つまり、おにぎりやパン、弁当、レジまわりの食品などは「専有売場」として、売り上げもオペレーションもきっちりと分けるのだ。
このような「店舗の共有化」が進めば、「地域のバイト不足」という問題がかなり解決できることは言うまでもあるまい。
ファミマの店舗で、セブンのおにぎりを販売する日はくるのか? (写真提供:ゲッティイメージズ)
共有売場や店舗まわりの仕事は同居するコンビニ同士でシェアするので、バイトの負担は減る。さらに、専有部分に関しても、それぞれのFC本部が認めてくれれば仕事の効率化が可能だ。コンビニバイトはセブンでもファミマでも基本的に仕事は変わらないので、セブンのバイトが、同居するファミマのおにぎりを並べるなんて「ヘルプ」が簡単にできてしまうのだ。
このようにバイトという限りのある資源を、地域のFCオーナーたちが共有して、効率的に使うことで、「24時間営業」も維持できるかもしれない。
「はあ? そんなマンガみたいな話が成り立つわけがないだろ、この低脳が!」とブチキレる方も多いだろうが、このように1つの店舗の内部に、競合同士で呉越同舟するスタイルは既にちゃんと成立している。
その代表が家電量販店の携帯売り場だ。
「佃製作所はやっぱりブラック企業」と感じてしまう、3つの理由
ドラマ「下町ロケット」の特別編が放映され、14.0%という高視聴率を叩き出した。多くの人がこのドラマを見て胸が熱くなったかもしれないが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。ドラマの内容を考えると、「日本の未来に不安を感じる」という。どういう意味かというと……。
「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。
「現金お断りの店」は、その後どうなったのか? ロイヤルHDの実験
1年ほど前、東京の日本橋に「現金お断り」のレストランが登場した。ロイヤルホストを運営するロイヤルHDが運営しているわけだが、キャッシュレスにしてどんなことが分かってきたのか。メリットとデメリットを聞いたところ……。
カプセルホテルの“常識”が変わる? 「ナインアワーズ」の考え方
カプセルホテルといえば、サラリーマンのおじさんが泊まっているといったイメージが強いかもしれないが、数年ほど前からちょっと異変が起きている。オシャレな雰囲気を演出しているところが増えてきたなかで、「眠り」にチカラを入れているところがある。それは……。
「バイトテロ」は訴えても抑止できない、3つの理由
アルバイトが不適切な動画をSNSにアップしたことを受け、くらコーポレーションが法的措置をとると宣言した。ネット上では「よくやった」「当然だ」といった声が多いなかで、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。どういうことかというと……。
最大11時間飲み放題の「バー」が、じわじわ増えている秘密
若者を中心に、人気を集めているバーがある。店名は「The Public Stand」(通称:パブスタ)。最大11時間飲み放題で、価格は男性3240円、女性は1080円。この安さがウケているわけだが、採算はとれているのだろうか。パブスタを立ち上げた、担当者に話を聞いたところ……。
やっぱり、前澤社長が悪いのか 「ZOZO離れ」の原因
「ZOZO離れ」が止まらない。有名ブランドが次々に離れている事態を受けて、「前澤社長の言動が悪い」といった指摘があるが、本当にそうなのか。筆者の窪田氏は、ちょっと違う見方をしていて……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.