土肥: 売れている商品を検知できるということは、売れていない商品も見えてきますよね。
永田: はい。例えば、棚にAというお茶が3列並んでいるとして、本当に3列も必要なのかどうかも検証することができます。Aというお茶は2列にして、Bというお茶を1列にしてみてはどうか。いやいや、A、B、Cというお茶のブランドを1列ずつ並べたほうがいいかもしれない。飲料コーナー全体で考えた場合、どういった形がベストなのかを検証することもできるんですよね。
土肥: 店内の人の流れも分析することはできるのでしょうか?
永田: 現時点でそのような使い方はできませんが、技術的には問題ないので、やろうと思えば時間の問題なのかなあと。人の動きを分析することができるようになれば、どういったことが分かってくるのか。例えば、店内に入ると、左右にわかれる道があるとします。どのくらいの人が右に進んだのか、どのくらいの人が左に進んだのかも分かるんですよね。ただ、個人情報の問題もあるので、人が動いたことを線で表示しなければいけません。
例えば、C店の場合。店内に入って、左に進むと生鮮食品があって、右に進むと飲料コーナーがある。この店は生鮮食品の売り上げが伸び悩んでいることもあって、多くのお客さんは左に進まず右に向かっている。じゃあ、どうすれば左に進んでくれるようになるのか。
生鮮食品の売り場でどんなモノを売っているのかをきちんと告知して、お客さんに左へ進みたくなるように思ってもらわなければいけません。では、どうすればいいのか。サイネージを使って広告を表示することもできますし、レジカートを使ってクーポンを発行することができる。そうすることで、生鮮食品の売り場に足を運んでくれる人が増えるのではないでしょうか。
土肥: 店内で起きているさまざまなことをリアルタイムで把握できるようですが、そうした情報は店のスタッフも見ることができるのでしょうか?
永井: 現在はデータを扱っている担当者しか見ることができません。ただ、年内をめどに、店で働いている人たちも見られるようにする予定です。
ただ、現時点でスタッフがその情報を見られるようにするよりも、AIカメラを他店などに普及させることのほうが大切だと思っているんですよね。AIカメラ、サイネージ、レジカートを他店にも導入することで、さまざまなデータが集まりますよね。現在は、それを最優先で考えています。
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