店内に1500台のカメラを設置して、トライアルは何を知ろうとしているのか水曜インタビュー劇場(とりあえず公演)(5/5 ページ)

» 2019年04月24日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       

将来のスーパーはレベル5

土肥: 今回、AIカメラを開発して、それをスーパーに導入することになりました。ただ、テクノロジーの技術はどんどん進歩しているので、どのタイミングで商品を出せばいいのかって難しいですよね。

永田: 迷っていたらダメなので、とりあえずやってみるしかありません。今回のAIカメラについていえば、小売りに特化しているといった特徴はありますが、ものすごく高い技術を搭載しているわけではありません。言葉は悪いですが、丸パクリでつくろうと思えばつくれると思うんですよね。というわけで、「技術はすぐに追いつかれる」ことを想定しています。

 ただ、他社よりも1年早くやっている――。このことが重要だと思っているんですよね。その間に、いろんな実験ができますし、いろんな情報を得ることができるので。

未来のスーパーはどのような姿になっているのか(写真提供:ゲッティイメージズ)

土肥: 将来、スーパーはどのような形になっていると思いますか?

永田: クルマの自動運転って、定義がありますよね。レベル5の場合、運転手を必要とせず、どのような場所の道路でも自動走行ができることを意味しますが、小売りの世界にもレベル5があると思っています。じゃあ、そのレベル5とは、どんなものなのか。無人で店舗が運営できることだと思うんですよね。

 スーパーを運営するとなると、営業も必要になりますし、商談も必要になりますし、発注も必要になる。このほかにもさまざまな業務をこなさなければいけませんが、そうしたことをシステムを使って仕組化できるのではないか。自動運転の世界だけではなく、小売りでもレベル5は実現可能だと思っているんですよね。

 もちろん、ECでの販売を否定しているわけではありません。ECには、ECのいい面がありますし、スーパーには、スーパーのいい面がある。スーパーがもっと便利になれば、お客さんはもっともっと店舗に足を運んでくれるようになると思うんです。そのために、私たちは何ができるのか。そのことを考え続けていかなければいけません。

(終わり)

書籍&CDが出ました!

 ITmedia ビジネスオンラインの連載をまとめた書籍『バカ売れ法則大全』(行列研究所/SBクリエイティブ)が発売されました。本連載「水曜インタビュー劇場」の人気記事をピックアップして、大幅に加筆。また弊誌では掲載していない記事もご紹介しています。また、本連載をまとめた『ササる戦略』(三才ブックス)も発売していますので、合わせてどうぞ。

 さらに、水曜インタビュー劇場のMCを務める土肥義則のCDが発売されました。「全国経営者セミナー」での講演を収録していますので、ぜひビジネスのヒントに!


前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.