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「会社員消滅時代」到来? 令和時代の“自由な働き方”に潜む落とし穴河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(2/5 ページ)

» 2019年04月26日 07時00分 公開
[河合薫ITmedia]

 バブル崩壊をきっかけに「人」を「人」と見ず、単なる「コスト」として考える経営者が増殖し、都合よく「働かせ方」を変えた。働く人と企業とのギブアンドテイクの関係を無節操に壊し、「働き方改革」という民主的な香りを漂わせるスローガンのもと、企業支援策ばかりが横行するフェーズに突入しました。

 平成初期に「中年のビジネスマン」が具体的にどんな働き方をし、その働き方にどんな感情を抱いていたかは、日経ビジネスのコラムに紹介してあるので、興味のある人はご覧いただくとして、こちらでは「令和時代に待ち受けている未来」をお話しします。

photo 令和時代の「働き方の未来」とは?

政府が提示した「幸せな働き方」の未来

 今からさかのぼること2年半前の2016年(平成28年)8月3日。第3次安倍第2次改造内閣が発足し、働き方改革担当大臣が誕生しました。実はその前日、厚生労働省のWebサイトに、私たちの「未来予想図」となる報告書が掲載されたことはあまり知られていません。

 報告書のタイトルは、「『働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために』懇談会 報告書」。従来の枠組みにとらわれずに、20年先を見据えて「働き方」について議論することを目的として同年1月に発足した、厚労省の「働き方の未来2035」懇談会の政策提言書です。

 この報告書で2035年の「幸せな働き方」の前提となっているのが、VR(仮想現実)やAI(人工知能)による技術革新です。

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