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ガンダムとハローキティがそれぞれ「ハリウッド映画」作る――サンリオと創通の仕掛け人が明かす「世界制覇の勝算」海外展開に挑む(2/5 ページ)

» 2019年06月06日 06時00分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

ハリウッド映画を製作

――世界に打って出ると言いますと、具体的にどのようなことが考えられますでしょうか。

下村: 実はハリウッドで、キティが出演する映画の製作が予定されています。まだ何年後かは決まっていないのですが、ガンダムもハリウッドでの実写映画化が決まっているということで、そういう展開に向けても、お互い組んでやっていきましょうというのが話にありました。もともと発端は全然違う話だったんですが、何度か話をしている中で、盛り上がっていきましたね。

――日本の「キャラクター」はそれだけ世界に対する強みになるのでしょうか。

下村: 日本のアニメやキャラクターは日本が世界に誇れる文化に近いものと言えます。日本の優れたところをもっと生かすためにも、日本は日本でこれからはキャラクターや作品間を越えたタッグを組んで戦っていく時代なのではないかと思いますね。こうした点で、今回のように日本を代表するキャラクターが組むのは、とても意義のあることだなと思っています。もちろん、ここには世界に対して負けないようにやっていくんだという明確な狙いがありますね。

――「ガンダム」というキャラクターはかなり古くからのファンがいらっしゃると思いますが、それが今回「ハローキティ」と組むことでイメージを裏切られるんじゃないかといったような、そういう話はなかったんですか。

田村: あるかないかで言えばもちろんありました。これは当然サンリオさんのほうでもあったと思うんですよね。特にガンダムのファンの方々は、世界観やストーリーを評価している層がかなり多いと私たちは分析しています。そういったファンの方々からすると、判断基準がその世界観やストーリーにマッチするかどうかという目線になってくるんですね。

 つまり、本編とは違う仮定の話であったとしても、ファンの方々は世界観やストーリーに照らし合わせて「まあなくはないね」というふうに思ってもらえれば受け入れられるし、逆に「やっぱり違うんじゃないか」と評価を下されてしまうと離れていってしまいます。こうした点が作品間でコラボする上のリスクであると昔から社内で考えられていて、だからこそこれまであまりこうした危険を冒してこなかった経緯があります。

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