土肥: 社内からは反対の声が多かったにもかかわらず、“青い水”を開発することになったわけですが、どのようなことに取り組んだのでしょうか?
鄭: 当時のトイレは水流の強さや温度、タンクの位置など家によって違っていました。そこでどうしたのか。便器を100器購入して、どのような環境でも一定の効果を出せるように研究しました。
商品を開発するうえで、液体がまんべんなく流れるかどうか、しっかりと使えるかどうか、などをテストしなければいけません。会社で購入した便器だけでなく、実際に使っているトイレで調査することに。ただ、水洗化率は20%ほどだったので、テストができるトイレを見つけることに苦労しました。
工場の近くに中華料理店がありまして、そこは水洗トイレを導入している。しかも、水圧が強い。この情報を聞きつけた開発担当者は、店長さんにお願いして、サンプルを置かせてもらうことに。このほかにも、さまざまな家庭にサンプル設置をお願いして、ようやく商品が完成しました。
土肥: 開発するのに、4年ほどの月日が経っていますよね。当初の売れ行きはどうだったのでしょうか?
鄭: 初代ブルーレットはタンクのフタを開けて、その中につり下げるといったモノでした。水洗化率が低いことと、日本初の商品だったこともあって、お客さんからは「これどうやって使えばいいの?」といった声がたくさんありました。というわけで、売れ行きはイマイチでして(涙)。
このままではいけないということで、商品を無料で取り付けることにしました。新聞広告でそのことを紹介して、「取り付けてもいいよ」といった家庭を募集しました。そして、営業担当者のことを「ブルーレットマン」と呼び、彼らが家を1軒1軒回って、商品を取り付けていきました。
このほかにも、いろいろなことをやったんですよね。薬局の前で水槽を並べて実演販売をしたり、行きつけの飲食店に設置してもらったり。小さな小さなことを積み重ねていきました。
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