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インタビュー
» 2019年06月21日 05時00分 公開

循環型経済の構築:Appleのどこまでも本気な環境への取り組み (5/6)

[林信行,ITmedia]

日本企業はもっと環境に配慮を

 リサイクルを中心とした循環型経済、そして再生エネルギーの取り組みに真剣な姿勢を見せるAppleだが、これが全てではない。

 同社の製品を使う人たちの健康はもちろん、同社製品を製造する工員たちの健康も害さないように、製品やその製造に使う薬品、素材の研究・開発にも力を入れている。Appleはこうした取り組みを「スマートケミストリー」(よりスマートな化学)と呼んでおり、これまでにいくつもの新素材を開発・評価し、リスト化している。

製品を製造する工員たちの健康にも配慮

 また、サプライヤーとの取り組みでは、日本で再生エネルギーの促進に重点を置く一方、水質汚染が深刻な中国では水質保存のための取り組みも行っている。

中国では水質保存のための取り組みも

 ここで最初の質問に戻りたい。みなさんはこうした環境への取り組みにおいて、Appleを超える企業の名前を挙げることができるだろうか。

 筆者も環境問題には関心があり、これまでさまざまな家電メーカーや通信会社の取り組みを見てきた。しかしその多くは、製品についている環境関連マークや、企業紹介のパンフレット(最後から2ページ目辺り)に書かれた「植樹しています」という小さな囲み記事、そして時折、単発的に発表される間伐材の利用といったものに集約されている印象が強い。

 そうなる気持ちは分からなくもない。

 環境に配慮した物作りをすれば、それだけ製造コストが高くなる(ジャクソン氏はそれでも下がってきているというが)。逆にグローバル経済のゆがみを突いて環境への影響を無視し、低賃金労働者に長時間労働をさせた方が、圧倒的に安く大量に生産できる。例えば、昨今ファッション業界では、ファストファッションによって、正直な服作りをしていた会社が大打撃を受け、それによってさらにファストファッションが勢いを増しているという現状がある。

 だが、そうしたことがいつまでも続けられるわけではない。

 ジャクソン氏は「日本は豊かな自然に恵まれた国。もっと多くの企業が環境に関心を持って欲しい」と述べていた。

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