東京商工リサーチは、6月28日17時までに確認できた2400社の有価証券報告書(2019年3月期決算)から、役員報酬1億円以上の個別開示を行った企業と役員の氏名を、報酬額を基に順位付けした「役員報酬額ランキング」を発表した。2019年3月期に上場企業で1億円以上の役員報酬を得た「1億円プレーヤー」の数が564人、役員報酬1億円以上の個別開示を行った企業は275社と、社数・人数ともに過去最高を更新した。
役員報酬1億円以上の開示は内閣府令に基づき、10年3月期決算より報酬などの総額、報酬などの種類別(基本報酬・ストックオプション・賞与・退職慰労金などの区分)の総額を有価証券報告書に記載することが義務付けられている。
役員報酬額のトップはソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー副会長で、32億6600万円(前年20億1500万円)だった。2位が新日本建設の金綱一男会長で23億4300万円、3位がソフトバンクグループのマルセロ・クラウレ副社長COOで18億200万円(前年13億8200万円)、4位が武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長で17億5800万円(同12億1700万円)と続いた。
金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)などの罪で起訴された日産自動車のカルロス・ゴーン元会長は16億5200万円(同28億6900万円)で5位だった。5位以内に4人の外国人が入ったことになる。
開示人数を見ると、トップは21人の三菱電機(前年22人)だった。2位は17人の日立製作所(前年18人、以下、()内は前年)、3位は10人のファナック(10人)が入った。4位は9人の東京エレクトロン(10人)、5位には8人の三菱UFJフィナンシャル・グループ(9人)、三菱商事(9人)とバンダイナムコホールディングス(7人)が入った。
8位は各7人で、大和ハウス工業、三井物産、大東建託、ソフトバンクグループが並んだ。18年に個別開示をしておらず、19年に1億円以上の報酬を受け取った役員を個別開示したのは66社だった。
今年1億円以上の報酬を受け取った564人のうち、18年に引き続いて1億円以上の報酬を受け取った役員は400人で、7割(構成比70.9%)を占めた。このうち237人は、前年よりも報酬額が増えている。一方、18年に開示しておらず、19年3月期に開示されたのは164人だった。
ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、東京商工リサーチ情報本部の坂田芳博課長は「ガバナンスが重要視される中、役員報酬の妥当性や、株主や従業員への説明責任がますます重要となっていく。報酬額の根拠を示すことが求められていくだろう」と指摘した。
1億円以上の「役員報酬額ランキング」――トップ5に外国人が4人、日産・ゴーン氏は5位
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