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» 2019年07月22日 10時28分 公開

「テレビ局が株主だから大丈夫」宮迫・亮の謝罪会見に見る、吉本興業の深刻な勘違い専門家のイロメガネ(2/6 ページ)

[中嶋よしふみ,ITmedia]

吉本興業は「テレビ業界の子会社」である

 現在、吉本の本体である吉本興業ホールディングスの大株主は、東京・大阪のテレビ各局だ。その他、吉本と取引のある企業が株を引き受けている。

 現在ネット上に出回っている株主情報はウィキペディア等を参考に作られており、正確さに欠ける可能性もある。田村氏の発言通り、在京5社在阪5社、合計で10社が保有という部分は間違っていないようだが、正確な株数は筆者が調べた範囲では確認できなかった(株の保有数が有価証券報告書等ですべて公開されていないため)。

 ただし、上場廃止時にテレビ各局が大株主になったことは事実だ。非上場でなおかつ取引先との関係で保有していることから、あえて売却を行う理由がないため現在も状況は大きく変わっていないと思われる。

 ※参考 「紳助騒動」でも明らかになった吉本興業の非上場化メリット、“行儀悪い”非上場化に株主からの訴訟も 東洋経済オンライン  2011年9月2日

 この情報を元に、テレビ各局の持ち株数を合計すると50%に限りなく近い。株を保有することに付随するのは、株主総会で投票する権利だ。議決権が過半数に達すれば、役員を選び、結果的に代表取締役も選ぶことが可能だ。これは、経営権を握ることを意味する。

 各局の保有数を合計すれば50%近く……これは一体どのような状況を表しているか。テレビ局各社はそれぞれ独立した企業だが、10社が同調してそこに少しだけでも他の株主が加われば、吉本の役員を全員クビにできることを意味する。つまり今の吉本のやり方を根本から変える力をテレビ局各社は持っている。株の過半数を握り支配下にある企業を、親会社に対して子会社と呼ぶ。つまり吉本は「テレビ業界の子会社」のような位置づけに近い。

 吉本側はまさか自分たちが切られるわけがないと考えているかもしれないが、テレビ局が求めているのは優秀な芸人であってマネジメントのできない経営者ではない。株主であるということは、このようにズブズブどころか、極めてドライな資本の論理を貫くということだ。

 もちろん、平常時にそんなことをやる必然性は全くないが、トラブルが頻発し「闇営業は禁止するが契約書は交わさない」と会長が発言をする事務所を、テレビ局各社がこれ以上放置できるはずもない(なぜ放置できないかは後述)。

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