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» 2019年08月15日 07時00分 公開

世界を読み解くニュース・サロン:仕事中の「30分の昼寝」で、パフォーマンスはどれほど変わるのか (3/4)

[山田敏弘,ITmedia]

昼寝で仕事のパフォーマンスが34%向上

 近代になって、時間に追われる仕事、ストレス、公害、騒音など、人類はおそらくこれまで経験したことがないような厳しい環境下で生活を送っていると言っていい。情報社会、グローバリズム、ボーダーレスといった要素も、その流れを後押ししている。ただその一方で、AI(人工知能)によるオートメーション化と、5GやIoTなどによる多接続化がそれを緩和する可能性はあるが、現在の社会構造の中で、日本人はまだまだ十分な睡眠を取れない生活から抜け出せないのではないだろうか。

 歴史的な偉業を成し遂げた偉人には昼寝をする人が多かったという話もある。英国のウィンストン・チャーチル元首相、米国のジョン・F・ケネディ元大統領、ロナルド・レーガン元大統領、ジョージ・W・ブッシュ元大統領のほか、ナポレオンやアルバート・アインシュタイン、トーマス・エジソンなども昼寝をしていたという。

 そもそも哺乳類の85%以上は、多相性睡眠をする生き物である。多相性睡眠とは、1日に何度も睡眠をとることを指す。そして人間もそれに含まれる。

photo 哺乳類の多くは、1日に何度も睡眠をとる

 では、昼寝はどれほど有効なものなのか。

 NASA(米航空宇宙局)の調査では、軍のパイロットや宇宙飛行士に40分の昼寝をさせると、仕事のパフォーマンスが34%上昇し、周囲への注意力は100%も向上した。

 長期休暇中には、長距離の運転をする人も少なくない。昼寝は、ドライバーが安全運転をする手助けにもなると言われている。運転中に眠たくなった経験がある人は多いだろう。運転中に睡魔に襲われることがどんなに危険なことか、よく分かっていても、結局無理をしながらリスキーな運転を続けてしまう。

 もちろん、運転する前日に十分な睡眠をとることは理想的だが、運転前の少しの昼寝でも安全は高まる。米国の国立睡眠財団によれば、運転中に眠気を感じたら、すぐに車をパーキングエリアなどに止め、20分ほどの睡眠をとるべきであるという。それによって、運転の質や注意力が高まり、事故を起こす可能性が断然低くなる。

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