クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
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» 2019年08月19日 07時00分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:400万円オーバーのBセグメント DS3クロスバック (1/5)

一般に高級ブランドというものは、長い歴史があり、ブランド論がとやかく言われる前から「高級品」として世の中にイメージが共有されているものである。DSは2010年代という、技術もマーケティングも高度に発達した時代にこれに挑もうとしている。そこは大変興味深い。DS3クロスバックがこれにどう挑むのか。

[池田直渡,ITmedia]

 DSというブランドがこの記事に登場するのは2回目だ。残念ながらまだブランドの知名度は低い。DSにとって、当面この知名度をどうやって上げていくかが課題だろう。

 DSとはフォルクスワーゲンに次いで欧州で二番目に大きい「グループPSA」のフラッグシップブランド。つまり、プジョー、シトロエン、DS、オペル、ボグスホールの各社の最上位に君臨すべきブランドである。PSAがDSブランドのハードウェアで並々ならぬ苦労をしている話は過去の記事をご参照いただきたい。

DSブランドの第二世代としてデビューしたDS3クロスバック

自動車メーカーのブランド構築

 一般に高級ブランドというものは、長い歴史があり、ブランド論がとやかく言われる前から「高級品」として世の中にイメージが共有されているものである。

 自動車メーカーの中で、第1期成立の古参高級ブランドと認識されるのは、1900年あたりまでに成立したものだ。明確なガイドラインはないものの、この指標の中で見ると1910年以降成立したメーカーにはちょっと新参感がある。ポルシェやフェラーリのようにスポーツカーに特化してブランドを確立することに成功した戦後スタートの例外もあるし、アルファロメオのように戦後大衆化路線へシフトしたメーカーもある。さらにはプジョーのように成立は古いが高級車には入らないものもあるので、絶対的な定理というわけではない。

 ひとつの考え方としては、自動車という新しいテクノロジーの成立とともにゼロから歩んだ、つまり海のものとも山のものともつかない自動車を試行錯誤で創出したブランドと、自動車の価値が確立してからビジネスとして創業したという差がそこにはある。特に大きな分水嶺(ぶんすいれい)として、1908年のT型フォードによる自動車の量産化・大衆化以前と以降に分けて考えることができる。

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