「チョコモナカジャンボ」のモナカは、なぜパリパリなのか 工場に潜入してみた水曜インタビュー劇場(鮮度公演)(4/6 ページ)

» 2019年08月28日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

重さにバラつきがでてくる理由

土肥: 次に、商品をどのように包装しているのか、教えてください。ベルトコンベヤーの上にどんどんアイスが流れてきて、どんどん袋に詰めていっていますよね。

バニラとチョコが詰まったチョコモナカジャンボがどんどん流れてくる

藤井: モナカはパリパリしているので、ロボットなどが触れてしまうと、どうしても削れたり、割れたりする。そうなってはいけないので、なるべく商品に触らないように工夫しました。

 よーく見ていただけますか。通常、ロボットが商品をつかんで、袋に詰めるといったケースが多いと思うのですが、チョコモナカジャンボの場合、ベルトコンベヤーの上を流れてくるスピードに合わせて、装も同じくらいのスピードで流れてくる。両者が合流するところがあって、そこでアイスはどんどん袋の中に入っていく。

土肥: 見事に詰め込まれていきますね。ただ、気になることがひとつ。同じ間隔で商品が流れくれば、袋に詰めるのはそれほど難しくないと思うのですが、30センチ離れている、次は50センチ、その次は70センチといった場合、どのように対応しているのでしょうか?

藤井: 機械にセンサーが搭載されていて、商品のスピードが変わると、袋のスピードも変わるんですよね。つまり、商品が流れてこなかったら、機械は止まる。

 無事包装されると、次に品質を検査しなければいけません。商品の中に異物が入っていないかどうかをチェックするために、X線で検知しています。また、規定の重量なのかどうかも確認しています。基本的に真ん中を狙っているのですが、どうしてもブレが出てくるんです。例えば、「今日は平均よりも重い商品が多いな」となれば、クリームなどの量を調整するといった感じですね。

商品の最終チェックを行っている

土肥: 先ほどバニラを満杯に入れているところを見せてもらいました。そのときに「ちょっと多めに詰めてしまったな」「あれ、少ないじゃないか」といった具合に、ぴったりの重量に調整するのは難しいということですか?

藤井: アイスのバニラって、液体を凍らしているだけではないんですよね。空気を入れている。なぜ空気を入れているのかというと、空気を入れないで液体を固めるだけだと、ガチガチになってしまうから。それだとうまくかめないかもしれないので、空気を入れてフワッとした食感を出さなければいけません。というわけで、空気の量が違ってくるだけで、重量が変わってくる。見た目は同じようにように見えても、実は重かったり、軽かったりするんですよね。このような事情があるので、最後に重さのチェックをしています。

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