「チョコモナカジャンボ」のモナカは、なぜパリパリなのか 工場に潜入してみた水曜インタビュー劇場(鮮度公演)(5/6 ページ)

» 2019年08月28日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

できたてほやほやを実食

最初のチョコモナカ。価格は50円

土肥: 最後に、箱詰め。製造ラインをみると、たくさんの機械が導入されているので、箱詰めもロボットが行っているのかなあと思っていましたが、人間が作業しているんですね。

藤井: 箱の中を見てください。商品20個がぎっしり詰まっていますよね。輸送時の揺れによってモナカが割れないように、ぎっしり詰めているわけですが、この箱の中にロボットが詰めようとすると、どうしても割れてしまうんです。ぎりぎりのところを狙わなければいけないので、割らずに箱詰めすることは難しい。もちろんロボットを使って箱詰めはできないのか研究は続けているのですが、現時点では人間の手作業のほうが向いているんですよね。

土肥: 工場でできたアイスは、いつ出荷しているのでしょうか?

藤井: 翌日、すべて出荷しています。そして、店頭には最短で2〜3日後に並ぶといった感じですね。

土肥: 他のアイスも同じような日程で、出荷しているのでしょうか?

藤井: このようなスピードで回している商品は、たぶんないでしょうね。いや、絶対にないです。なぜか。コストがかかってしまうこともあるのですが、管理が大変なんです。

 基本的に、アイスには賞味期限がありません。夏に売れて、冬はなかなか売れない、といった商品が多いなかで、どのようにしてつくっているのか。夏に売るために、冬から春にかけてもつくっているんですよね。つくりだめしていて、年間の生産数をできるだけフラットにしている。賞味期限がないのでこのようなつくり方ができるわけですが、チョコモナカジャンボにはできません。

土肥: 長期間保存すれば、そのぶんだけバニラからの水分がモナカに移動してしまう。結果、モナカの鮮度が落ちてしまって、食感がふにゃふにゃするわけですね。

藤井: はい。天気予報とにらめっこしながら、生産数を増やしたり、減らしたりしなければいけません。暑くなると急に売れるので、工場はフル生産で対応しなければいけません。その際に、困るのは人の確保。生産数を増やすので「すぐに来てください」といった感じで、対応するのは難しい。その逆も同じで、生産数を減らすので「すぐに帰ってください」といったことは言えません。スタッフをどうやりくりすればいいのか、といった問題も難しいですね。

できたてのチョコモナカジャンボ。ふちまでバニラとチョコがぎっしり詰まっている

 さ、ドイさん、できたてのチョコモナカジャンボを持ってきました。せっかくなので、ぜひ食べてください。

土肥: おお、ありがとうございます。できたてほやほやなので、モナカの鮮度が高いわけですね。では、いただきます。

 パリパリッ! パリパリッ! もぐもぐもぐ。

(終わり)

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