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» 2019年09月03日 08時00分 公開

長谷川秀樹の「IT酒場放浪記」in 沖縄:起業、パラレルキャリア、はたまた奴隷? 「個の時代」、人生ゲームの勝者は誰だ (1/3)

終身雇用や年功序列といった日本的経営に陰りが見え始める中、「会社に頼らない生き方」をするためにはどんなキャリア設計をすればいいのか――。働き方改革の先駆者たちに聞いた。

[酒井真弓,ITmedia]

 メルカリのCIO(最高情報責任者)を務める長谷川秀樹氏が、志高きゲームチェンジャーと酒を酌み交わしながら語り合う本対談。今回は東京を飛び出し、沖縄にやってまいりました。

 ゲストは、日清食品ホールディングスCIOの喜多羅滋夫氏、フジテックCIOの友岡賢二氏、パラレルマーケターの小島英揮氏、クラウドネイティブCEOの齊藤愼仁氏、沖縄在住のサイオンコミュニケーションズ米須渉氏です。

 終身雇用や年功序列といった日本的経営に陰りが見え始め、副業を解禁する企業が増える中で、「会社に頼らない生き方」を意識し始めた読者の方々も多いのではないでしょうか。今回は、独立、起業、サラリーマンと立場は違えど、自らの能力を武器に「個の時代の働き方」を体現する皆さんに、それぞれのキャリア戦略を聞きました。

Photo IT酒場放浪記 夏休みスペシャル収録の様子。左から時計回りにサイオンコミュニケーションズの米須渉氏、クラウドネイティブCEOの齊藤愼仁氏、メルカリCIOの長谷川秀樹氏、日清食品HD CIOの喜多羅滋夫氏、パラレルマーケターの小島英揮氏、フジテックCIOの友岡賢二氏

独立し、“志を同じくする企業”から選ばれるために

長谷川: ハイサ〜イ。沖縄にやってまいりました。今日のゲストはいつものメンツなので、だいぶ油断しています。

 小島さんはAWSを経て独立し、「パラレルマーケター」を名乗って複数の会社のマーケティングを支援していますね。

小島: はい、まずは自己紹介から。僕は、AWS日本法人に一号社員として入社し、マーケターとして約7年働きました。その間、AWSはさまざまな領域で使われるクラウドサービスへと成長し、会えるお客様は、CIOから開発者、大企業からスタートアップまでかなり幅広くなりました。すごくエキサイティングな環境でしたよ。で、次のキャリアを考えたとき、そのAWS等のクラウドが開拓したAI、AR/VR、決済といった新たな成長分野で挑戦したいと思ったわけです。

長谷川: なぜ一社に転職せず、「パラレルマーケター」という働き方を選んだの?

小島: 現実問題として、AWSと同程度の年収(=給与+株価)を一社で賄おうとすると、選択肢がすごく限られるんですよね。そこで、いくつかの会社で働き、それぞれから報酬を得るという発想に至りました。正直なところ、僕を買ってくれる会社がどれくらいあるのかは未知数だったので、まずは公言してみようと。それが、2016年8月末のことでした。

長谷川: あのときは、クラウド界隈がすごい騒ぎになったよね。最近、副業OKの会社が増えて、「俺もいっちょパラレルでやったろか」と妄想する人は増えていると思うんだけど、皆が皆、仕事を得られるわけではないよね。小島さんはAWSを辞めて、「年内は働きません」と宣言した後、日本中を旅しているようにしか見えなかったんだけど、勝算はあったの?

Photo パラレルマーケターの小島英揮氏

小島: ちゃんと戦略を立てましたよ(笑)。8月末でAWSを辞めた後、SNSで、年内は働かないこと、今後は複数の会社で働きたいことを発表し、イベントで登壇する際には、「これから挑戦したい分野はここです」とひたすら言い続けました。

 すると、いくつかの会社から仕事の話が舞い込んできました。そして年明け、働くことになった5社の名刺を並べてSNSに上げました。「自分ができること」と「挑戦したい分野」を分かりやすく可視化したことで、選んでほしい人に選んでいただけたんだと思います。

長谷川: 奥さんも理解がありますよね。普通は夫が4カ月も働かずにふらふらしてたら不安になるでしょう?

小島: そこは、「年内にはなんとかする」という奥さんとの期待値調整ですね。会社の上司への進捗報告に似ていると思いますよ。むやみに驚かせてしまわないように、「行きたい分野があってね」とか「今、こういう会社から話があってね」という共有は頻繁にしていました。

長谷川: なるほど。今、これだけオファーが来ているということが分かれば、奥さんも安心するね。今度、小島さんの奥さんに、ホントはどう思っていたのか聞いてみよう。

小島: やめてください(笑)。

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