消費税は弱者に厳しいというウソ 〜逆進性という勘違い〜:専門家のイロメガネ(5/8 ページ)
残りの制度はざっと説明するが、遺族年金は、残された遺族の年収が850万円を超えていると支給対象外になる。一度支給対象外になるとその後850万円以下になっても支給されないという、制度的にもおかしな仕組みだ。
住宅ローン減税は、所得3000万円以上の場合は対象外で利用できない。
日本学生支援機構の奨学金も所得制限がある。奨学金の金利は極端に低く、利用者にとっては極めて有利な借金だが、これも所得を基準に利用の可否が決まる。
児童手当は通常3歳未満まで月額1万5000円、それ以降は15歳まで1万円が支給されるが、共働きで子どもが二人の場合ならば、夫婦どちらかの年収が917万8000円を超えると、一律5000円に減額される。
育休・産休の手当も、通常は給料の3分の2から2分の1が支給されるが、上限があるため収入が高い人ほど減収の割合が大きくなる。
筆者はすべての公的サービスの仕組みを把握しているわけではないが、他にも所得に応じて負担が増える制度は当然あるだろう。収入が多いほど有利な制度はふるさと納税くらいだ。
※各種制度は最低限の説明に留めています。詳細は各省庁の公式サイトや勤務先にてご確認ください。
- なぜデンマークは、消費税が25%でも軽減税率を導入しないのか
軽減税率は、一見すると正しそうな制度に見えるが、この制度が原因で、小売業界と飲食業界は混乱の極みにある。軽減税率は徴税コストが高く、線引きに手間がかかり、脱法行為を生み出しかねず、高所得者に有利。だから軽減税率よりも別の手段で還元した方が好ましい。デンマークはこのように軽減税率そのものを完全に否定している。
- 麻生氏「年金受給記憶ない」発言が物議 共産党・小池氏のでたらめな批判内容
老後資金は2000万円不足する……問題の議論の過程で、年金に関する勘違いを助長する話が出ている。日本共産党の小池昇氏のツイートを見ると、同氏も年金を理解していない。小池氏の勘違いは社会保障制度の誤解を招く可能性がある。
- 【前編】食べログはなぜ何年も炎上し続けるのか?
たびたび炎上する食べログ。先日も、Twitter投稿を元に有料加盟とレビューの点数操作をめぐる疑惑が話題になっている。炎上が続く根本の原因としては、一番の理由は広告料の存在だ。口コミサイトを名乗りながら広告を売るというは矛盾が内包されている。
- なぜアコムは、いまだに過払い金問題で消耗しているのか?
一見昔話のようにも思う過払い金問題。しかし、現在も消費者金融各社は過払い金返還に苦しんでいる。特にアコムは当初の想定どおりに引当金が減っていない。なぜ過払い金の正確な返還額が計算できないのか。そこには、過払い金の返還請求を遅らせると、そこに利息がついてくるなどの制度的な理由があった。
- iDeCoの改正で逆に格差は拡大する?
私的年金である個人型の確定拠出年金、iDeCoに全ての会社員が加入できるように改正されると報じられました。iDeCoには大きな節税メリットがあるため、一見、会社員にとっては朗報と思えますが、いくつか落とし穴があることには注意が必要です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.