消費税は弱者に厳しいというウソ 〜逆進性という勘違い〜:専門家のイロメガネ(3/8 ページ)
D1は住民税額(夫婦の合計額)が年間0〜4999円とごく少額の場合で、保育料は2400円に、均等割額といって一定額の1900円が加算され、合計で月額4300円となる。
一方、最も高額なD26は区民税が年間60万円以上のケースで、負担額は6万8900円+均等割額1900円、合計で月額7万800円となる。
その差は16倍以上だ。年間で見ればD1は5万1600円、D26は約85万円、差額は80万円以上と極めて大きくなる。
ここで計算に使われる住民税は夫婦二人分の区民税となるため、収入は世帯によって異なるが、いずれにせよ二人で60万円以上の区民税を納めている世帯はかなり高所得の世帯となる。
収入が多いなら負担は多くて当たり前と思う人も多いかもしれない。しかし、ここが勘違いの始まりだ。すでに説明した通り所得税は累進課税で所得が多いほど税率が高いのだ。
つまり課税=負担の段階ですでに高い税率を課せられている。それにもかかわらず「給付」の段階でも多額の保育料を払うことになり、表面的な税率以上に負担は大きい。
保育料に限らず所得が多いほど負担が多い、あるいは給付が少ない公的なサービスは多数ある。つまり負担と給付の両面で発生する「二重の累進性」が高所得者には働く。これは消費税の逆進性を打ち消して余りあるほどに大きい。
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