クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
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» 2019年11月05日 07時07分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:マツダCX-30の発売と、SKYACTIV-X延期の真相 (3/4)

[池田直渡,ITmedia]

CX-30の日本仕様はすでに進歩を遂げていた

 と、文字数のおよそ半分を発売スケジュールの説明で費やしてしまったが、そろそろ本題に入ろう。

 さて、筆者は7月頭にドイツで行われた国際試乗会で、すでにCX-30に乗っている。しかし今回国内で乗ったCX-30は、たった4カ月の間にブラッシュアップされて登場した。クルマの立ち位置や全体の説明の前に改良点を書くのは、ちょっと原稿として順序がおかしいが、大事なことなので、まずはその改良点を説明してしまおう。

 CX-30に試乗したとき気になったことは、時速60キロあたりで、アシがあまり動かない印象があったことだ。踏切や歩道の段差を乗り越えるときは極めて上手く動いている印象のあるサスペンションなのだが、そこそこ詰まった高速道路のような速度域では、路面のうねりをいなせない。リジッド感がある。しかしながら、そこから上はアウトバーンで時速170キロまで持っていっても良好な乗り心地を示し、むしろ見事といえる仕上がりだった。

 厳しい局面でうまく動いて、さほどでもない領域での受け流しが下手だった。この部分は残念ながら日本仕様でもほぼ同じ印象を受けた。

 しかし改良されているところもある。郊外などでよく使う時速50キロレンジのコーナリングで、舵(かじ)を入れ始めた直後、少しロール速度をコントロール仕切れていない部分があった。平たくいうと切り始めに「グラっ」とくるのだ。それはひどいものではないし、そのくらいの挙動は特にSUVにはよくあるのだが、これをピタリと押さえ込んできた。国際試乗会の時にヒアリングした問題点を、課題として徹底的に潰した姿勢には敬意を払いたい。

 もう一つは1.8ディーゼルだ。筆者がドイツで乗ったのはMTだったので、Mazda3のディーゼルの評価とは単純に並べられない。MTで乗る限りは問題なかったのだが、同じユニットを搭載するMazda3の国内試乗会ではちょっとがっかりさせられたのだ。

CX-30のディーゼルエンジン

 念のために書くが、マツダが第7世代で到達した、従来にない人間中心の思想によって、シートもシャシーもハンドルもブレーキもグッと進化した。それに対してディーゼルユニットだけが取り残されて、第6世代水準だった。第6世代は決して悪いモノではなかったので、批判するのは少し可哀想なのだが、とはいえ、ほかの部分が第7世代水準に進んでいることに対して、ディーゼルユニットだけが悪目立ちしてしまっていた。

 それが、大幅に改善されたのだ。筆者はMazda3の試乗の後「ヤバい魔物がエンジンルームに棲(す)んでいるようなストレス」とエンジニアに説明したのだが(19年7月の記事参照)、今回はっきりと「魔物退治を頑張りました」と言われたので、こちらが思った以上にこたえていたらしい。申し訳ないと思わなくもないが、クルマが良くなったことは極めて喜ばしい。

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