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高額賞金難しいeスポーツ 「モンスト」が“1億円の大会”を運営する秘訣に迫るミクシィ「モンスト」のキーマンを直撃【後編】(3/4 ページ)

» 2019年11月08日 05時00分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

トヨタ、Google、コカ・コーラ……名だたるスポンサー

――今回の大会では、トヨタ自動車やGoogle、コカ・コーラなど名だたる企業がスポンサーとして加わりました。こういった現状をどう捉えていますか。

 シンプルにありがたいですね。これまではゲーミングチェアやヘッドセットといったゲーム用品関連の企業さんがスポンサーになる場合が多かったのですが、サッカーや野球など、一般的なスポーツでも協賛している企業からスポンサードいただけるようになってきました。かなり世の中的な認知度も広がってきたんだなと感じています。よりeスポーツが一般化してきている証拠だと思われます。

――会場には実際にどのような来場者が訪れたのでしょうか。

 実は1人で見に来る来場者はあまり多くなく、家族連れやカップルでいらっしゃる方々が多いです。「モンスト」のユーザー層とかぶると思うのですが、スマートフォンゲームという性質上、客層が広いのが特徴ですね。

 これはプロの方も同様で、ゲームとは別に働いていて、家庭もお持ちの方が多いですね。専業として1日中ゲームをやっているような方は少ないと思います。格闘ゲームをはじめとしたコンソール系のプロの方は、1日中ゲームをしている人も多いとは思うのですが、「モンスト」の場合は兼業という形でプロとしての活動をしている方が多いですね。

――プロになると、どのような働き方になるのでしょうか。

 モンストのプロ選手が参加できるeスポーツ大会に参加できるほか、大会のYouTube番組に出演していただいて、プロとして内容を解説するという仕事もあります。

――賞金面以外に、大会の運営に当たって、18年と19年で変わった部分はどんなところがあるでしょうか。

 1つあるのが、18年は初めてプロツアーというのを実施して、「モンスト」のプロチームが注目された年になりました。そして19年は、初めて予選大会でプロとそうでない方とが混在して争う大会になりました。そのため、プロチームが非プロチームに敗れるといったような「ジャイアントキリング」が起こりやすくなったと思います。

 一方で、圧倒的に強いプロチームがいて、アマチュアとの実力の差を来場者や視聴者に知らしめる展開もあったのではないかと思います。

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――ミクシィはかつて国内最大手のSNS企業として一世を風靡しましたが、現在では「モンスト」が事業の核になっています。こういった中でeスポーツとしての「モンスト」は、貴社ではどのような位置付けなのでしょうか。

 「モンスト」を運営する当社の1ブランド「XFLAG」は、友達や家族とわいわい楽しめるアドレナリン全開のバトルエンターテインメントを提供するというのがコンセプトとしてあります。eスポーツというのはまさしくこの空間を作る重要なコンテンツの1つだと思っています。

 そして「モンスト」は、4人で集まってみんなで協力してモンスターを倒すというコンセプトのゲームです。1人で遊ぶこともできますが、1人でゲームをやって楽しむというだけではなくて、友達と協力して何かを目指す。それを実現するコンテンツだという部分をとても大事にしています。「モンスト」は世界累計利用者5200万人以上のタイトルです。こうした方々にeスポーツを通じて、ゲーム性の部分ももちろん、4人で「共闘」する面白さを伝えていきたいと思っています。

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