中島: 市場価値に連動した人事制度は、経営陣を人事評価の苦しみから解放する仕組みだと思っているんです。この制度にすると経営陣と従業員が、評価について「互いに真っ向から衝突していく構図」じゃなくなるから。
評価のベースはあくまで市場価値に置かれていて、社内の評価はバリューとミッションの部分だけしか反映されません。ミッションの達成も、設定の段階で互いが合意して握っていれば問題も起こらない。社員が考えるべきは上長や経営陣との関係性ではなくて、市場や、ともに働く同僚とどう向き合うか、ということになるわけです。
給料の予算が決められないという点は難しいかもしれませんが、それさえ覚悟できるのなら、経営者は評価に時間を割くのではなく、事業を伸ばすことを考えればいいと思うんです。実際のところ、人事評価についての衝突がなくなっているという実感はとても大きいですね。
田中: おっしゃる通り、評価する側にとってもされる側にとっても気が重い「人事評価」というテーマに対して、客観的な指標を取り込みながら、双方にとって納得度が高い自社なりのやり方を決めていくというのは、今後の人事評価における1つの「理想形」なのかもしれませんね。
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