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日本企業のイノベーションを支える気鋭のデザインエンジニアが語る「”BTC型人材”のつくり方」これからの時代に必要な「デザイン経営」(4/7 ページ)

» 2019年11月20日 05時00分 公開
[勝木健太ITmedia]
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第四次産業革命時代におけるデザインの重要性

 「なぜデザインが重要なのか」について、少し歴史を振り返りながら説明してみたいと思います。以下の年表をご覧ください。

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 まず、この年表の中で、「今、世界はどこにいるのか」についてですが、上記の「Current」と記載されている「第6世代」のあたりが現在地点であると捉えていただければと思います。上記の通り、2015年くらいから、「ハードウエア」「エレクトロニクス」「ソフトウエア」「ネットワーク」「サービス」という5つの要素が組み合わさったプロダクトが登場してきました。

 特に典型的なのがスマートフォンですね。スマートフォンが登場してから、UI/UXの視点を適切に取り入れたサービスがグロースするケースが増加し、それに伴って、デザインの重要性が高まってきました。乱暴に言えば、第2次産業革命時代までは、デザインは「nice to have」でしたが、第3次産業革命以降は、「must have」に変わったという言い方もできるかと思います。

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 日本においても、デザインの導入はようやく進んできた段階ですが、米国と比べると遅れている状況です。それはなぜかというと、非常にシンプルな話で、日本の主要産業が製造業つまり第2次産業革命時代の産業であり、一般的なメーカーにとっては、デザインは「nice to have」な存在だからです。しかし、一方で、トヨタやソニーをはじめとして、第4次産業革命時代にジャンプしようと、先進的な動きを見せる企業もいくつか現れてきている状況です。

 ハードウエアにデジタルが組み込まれれば組み込まれるほど、デザインは避けて通ることのできない要素となってきます。そうなると、全てのビジネスパーソンはデザインを学ばなければならないような状況になってきます。このような潮流を踏まえ、新しいモノをつくって、変化を起こしていくにはどのようなチームが必要なのかということを世界中のアカデミアの学者たちが研究していますが、米国や欧州においては、次の三角形のダイアグラムが一つの「答え」であるという結論に収束し始めています。

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