人手不足への対応、多様な決済手段への対応、顧客の利便性向上(レジ待ちのイライラ減少など)を目的として、「無人」や「省人」要素を打ち出したお店が増えている。先進的な実験店などを取材し、導入の狙いを探る。
連載第1回:2週間で開業した「ロボットコンビニ」 無人店舗の“その先”をつくれるか
連載第2回:人手不足に悩む飲食業界は「効率化」で“味気なく”なるのか?
連載第3回:本記事
ミニストップが無人レジしか置いていない店舗を実験的に運営している。「365table(サンロクゴテーブル)」という名前で、東京都江東区の住宅街の中にある。「実験店なので、(詳細や狙いは)公にしていない」(広報担当者)。人手不足が深刻化し、人件費も高騰する中で、無人・省人化店舗への関心が高まっている。そこで、省人化だけでなく、さまざまな実験を行っているという店舗に実際に行ってみた。
365tableは、東京メトロ「南砂町駅」から徒歩10分強の場所にある。周囲は集合住宅だらけで、歩いて数分の場所に大型スーパーがある。
店舗外観はシンプルなつくりになっている。外に設置している看板には「365table」という店名の下に「AEON」のロゴマークが入っている。入口付近にはのぼりがはためいており「毎日うれしい おにぎり100円」とアピールしている。よく見ると、小さいミニストップのロゴマークもある。ミニストップは7月からおにぎりを100円(本体価格、以下同)で販売しているが、系列店だということを強く押し出す意図はないようだ。
店舗のガラスには「缶コーヒー毎日82円」「食パン毎日98円〜」というPOPが大きく掲げられている。また、店外の棚にはトイレットペーパーが並べられている。さらに、「おなじみのお酒が毎日おトク!」というポスターも貼ってある。アサヒビールのスーパードライ(350ミリリットル)が188円、キリンビールの本麒麟(同)が125円といった具合だ。毎日使う食料品の安さをアピールして、お客の来店頻度を高める狙いがあるとみられる。
店内に入ると目に飛び込んでくるのが3台の無人レジだ。買う商品を台の上に置き、自分でバーコードをスキャンし、袋に詰められるようになっている。レジ袋は大・中・小の3サイズあるが、いずれも無料だ。レジ袋の隣にはスプーンやフォークが置いてある。記者が来店した際、高齢の男性客が無人レジの使い方を店員に教わっていた。
店内のポスターによると、365tableの営業時間は午前7時から午後11時で、年中無休となっている。コンセプトは「忙しくても、時間がなくてもおいしく、お求めやすいものを、毎日の食卓へ」「その場で食べたり、スムーズなお買い物で毎日ちょっとラクに」ということらしい。
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