――広報・宣伝の枠組みでeスポーツの予算を確保するためにはどのような工夫が考えられますか。
例えば「ウイイレ」みたいに「2018」「2019」「2020」と毎年シリーズとして新作が出るものだったり、「鉄拳」や「ストリートファイター」のようにナンバリングタイトルであったりすれば宣伝費は出しやすくなると思います。そういう作品であればファンの支持も厚いでしょうから、そういうタイトルからeスポーツ活動を始める。経営者の方にもできれば最初から10年計画ぐらいの投資ということで、温かく見守ってもらえればと思いますね。
――現状としてeスポーツは、各メーカーの広告・宣伝という位置付けが多いわけですが、こうした取り組みを20年以上先駆けて続けてきた名人としては、この期間をどう振り返りますか。
基本的な流れは今も昔もあまり変わっていないですね。これはハドソンだけでしたけど、昔は「キャラバン」というタイトルでゲーム大会もあった。今では何でも「eスポーツ」って付ければそれっぽく見せることができます。
例えばメーカーが売りたいタイトルがあって、勝ち負けがついて大会に結び付きそうなものであれば、「eスポーツ」と付けるだけで盛り上げることもできます。「eスポーツ」には商標も何もありませんからね。そういう面では非常に環境が良くなってきているとは思います。(中編に続く)
11月29日公開予定の中編では「裏技」や「16連射」誕生秘話に迫ります! ご期待ください!
河嶌太郎(かわしま たろう)
1984年生まれ。千葉県市川市出身。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。アニメコンテンツなどを用いた地域振興事例の研究に携わる。近年は「週刊朝日」「AERA dot.」「DANRO」「Yahoo!ニュース個人」など雑誌・ウェブで執筆。ふるさと納税、アニメ、ゲーム、IT、鉄道など幅広いテーマを扱う。共著に『コンテンツツーリズム研究〔増補改訂版〕 アニメ・マンガ・ゲームと観光・文化・社会』(福村出版)など。
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