「総額50億円」の寄付をすることで「社会実験」をする――。DMM.comの亀山敬司会長が、寄付や社会的投資を進める事業を行う認定NPO法人「日本ファンドレイジング協会(※注)」主催の「10周年記念パーティー」の壇上で、こんな構想をぶち上げた。その構想は、フランスにある世界屈指のプログラミングスクール「42」のカリキュラムを日本に持ち込んで実践し、「稼げるプログラマー人材」を育てていくというものである。
42は授業料が無料でプログラミングが学べる学校。生徒同士が助け合う仕組みによって運営されているのが特色だ。
亀山会長が42に言及し、「他人を思いやる世界を作れたら面白い」と発言していたことは、以前の記事(DMM亀山会長がベンチャーブームに物申す「プレゼンがうまいだけの起業家が増えている)でレポートした。以下、「10周年記念パーティー」パネル討議での亀山会長の発言をお届けする(司会の質問は――とした)。
※日本ファンドレイジング協会は、寄付や社会的投資など、善意の資金の10兆円規模の拡大の実現を目指し2009年に設立。現在会員は、全国から1800の法人・個人を超え、NPO、企業、行政、弁護士、税理士、金融機関、投資家、教師と各分野の方々がともに協力し、日本の社会貢献教育、寄付の推進、寄付白書の発行などに取り組んでいる
――亀山会長は、ファンドレイジング協会の催しへの出席は初めてですが、参加されてみていかがですか?
はい。緊張しております。日頃はもう少しフランクな口調で話しているのですが、今回は「真面目なNPOの会ですから、くれぐれも丁寧な言葉を使うように」と釘(くぎ)を刺されましたので(会場笑)。
――亀山会長が、こういった会に参加されるのは珍しいですが、何か心境の変化があったのですか?
もともと人前に出るのは苦手でして、50歳まではずっと「ひきこもり」でした。会社の中にこもって、お金もうけのことばかりしてきました。
今日お集りになっている皆さんのように、まず「社会のためにこういったことやりたい」という思いからはやっていなくて、若いときに、単純に「モテたいから稼ごう」みたいな安易なところから始まった人間なので(会場笑)。
でも、家族を持ったら家族のため、社員が増えたら社員を食わせるためにと、変わっていきました。そして、だんだんと会社が大きくなると、「そろそろ社会のことも考えないといけないのかな」と感じるようになりました。そんな感じで少しずつ進化していったのかな。まあ進化なのかどうかは分かりませんけど(笑)。
――いつもイラストでお顔を隠されていて、怪しいと思っている方も多いと思います。どうして顔を出さないんですか?
はい。本当に人見知りでして。例えば顔を出してしまうと、道を歩いていても知らない人からジロジロ見られたりしますよね。それが苦手なんです。
私の知り合いでも芸能人とか有名な方と一緒にいると、やっぱりいろいろな人が寄ってくるんですよ。大抵そういうときには「おじさん、ちょっと写真お願い」と、カメラマンを頼まれます。で、「はいちーず♪」とか言って撮っているんですけど(会場笑)。
でも、そういうのを見ていると、やっぱり顔が売れた人たちにはプライベートがないんだなと感じるわけです。
ですから、行けるところまでこれで行きたいと思っています。今のところ世の中の方はみなさん優しくて、私の写真をお持ちの方も結構いらっしゃるかと思いますが、いまだにGoogle(グーグル)で検索しても出てこないのです。なので、今日もみなさんの善意を信じております。もし今日出てしまったらみなさんのせい、ということになってしまいますから。よろしくお願いいたします(会場笑)。
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