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残業時間は半減、社員一人当たりの売上は15%増――「働きがい重視の改革」が結果につながる理由働き方改革を阻む「抵抗」「不安」「失敗」との戦い方(3/4 ページ)

» 2019年12月26日 08時00分 公開
[後藤祥子ITmedia]

浜松に「働き方改革の輪」を広げるために

小川: 実は今、浜松の企業にLunch Sessionの文化を広げる取り組みを始めようとしているんです。僕らが2年間運用してきて分かったLunch Sessionの効果や企業に浸透させるための手順、運用のノウハウ、マッチング用のWebツールをサービス化して、展開する準備を進めています。

 企業規模を問わずに導入できるよう、最初は無料ツールとして公開する予定です。そうしてLunch Sessionの文化が広がれば、首都圏からビジネスで訪れる方々に「浜松に来れば、さまざまな企業とランチがてら仕事や採用の話ができる」と思ってもらえるようになる。そこから新たなコラボレーションが生まれれば、浜松の活性化につながると思うんです。

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沢渡: Lunch Sessionが、企業間の「コミュニケーションのハブ」としての役割を担うプラットフォームになるわけですね。とても興味深い。

 首都圏に比べて、地方都市の働き方改革は遅れがちですが、人手不足がより深刻な地方都市こそ、働き方改革を推進する必要があるんですよね。

 UターンやIターンの案件が増えている割に、なかなか人材が定着しなかったり、応募者が少なかったりする理由の1つは、「働き方が古い」ことにあるんです。一度、首都圏で先進的な働き方を経験し、成長できる環境に身を置いてしまうと、そうではない職場環境には戻れない。活躍できる場がないから首都圏で働かざるを得ない――という人も少なくありません。

 だからこそ、地方都市の企業がどんどん働き方を変えて、「正しく成長できる場所があること」を証明すれば、大きな差別化要素になると思うんです。

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