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残業時間は半減、社員一人当たりの売上は15%増――「働きがい重視の改革」が結果につながる理由働き方改革を阻む「抵抗」「不安」「失敗」との戦い方(2/4 ページ)

» 2019年12月26日 08時00分 公開
[後藤祥子ITmedia]

なぜ、地方都市こそ働き方改革を進めるべきなのか

沢渡: 実は、Lunch Sessionが社員に及ぼす影響がもう一つあるのではないかと思っているんです。「社外の人と会う」ことによって、社員は外にメンターができるのではないでしょうか。

小川: 私自身にもメンターがいて、それが自分の仕事を振り返る上でとても役に立っているので、社員に対しても、社外にメンターを持つことは大事だと話しています。期待している社員には、私が社外の人を引っ張ってきてメンターをお願いしたりすることもあります。

Photo NOKIOOでは、社外の価値観に触れる機会を増やすようにしている

沢渡: メンターを持つことは、地方の企業だからこそ、より重要だと思うんです。講演で全国各地の企業を回って話を聞いているのですが、そこで起こっている大きな問題は、「社内にメンターがいない」ことなんです。例えば社員の数が少ない地方都市の企業では、新卒社員の「すぐ上の先輩」が40歳を越えているようなことも珍しくない。この年齢差だとジェネレーションギャップもあって、なかなかざっくばらんに相談ができないんです。

 ネットワークエンジニアとして入社したけれど、会社にはほかに相談できる人がいなくて困っている――という話も聞いたことがあります。これはまさに、コラボレーションで解決できる問題ですよね。地域でネットワークエンジニアが集まり、そこで同じ仕事をしている人たちとつながって「今、何がトレンドなのか」「何を学ぶべきなのか」「どうやって問題を解決してきたのか」を共有すればいい。

 自社だけでは人材育成が難しい時代なのだから、外にメンターを持ったり、外でロールモデルを見つけたりすることを推奨する「オープンな企業」のほうが、間違いなく価値があるし、優秀な人が集まるはずです。

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