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「会社で夕食」も「帰るまで我慢」も不健康のもと 残業中の小腹を満たす「最強食材」とは?ビジネスパーソンを救う「せめてこれだけ」食事術【中編】(2/2 ページ)

» 2020年01月21日 05時00分 公開
[佐藤達夫ITmedia]
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残業中の最強食材「バナナ」を常備するという奥の手

 私の「イチオシ」はバナナ。バナナは、速やかに血糖値を上げる単糖類(果糖など)を少量含み、やや時間をおいて血糖値を上げる二糖類(砂糖など)を適量含み、そのあとにじっくりと血糖値を上げる多糖類(デンプンなど)をしっかり含んでいる。脳や身体への「簡便なカロリー補給源」として極めて優れた食品である。テニスプレイヤーなどがゲーム中にバナナを食べているのには、このようなきちんとした理由がある。

 比較的保存も利く。嫌いでなければ、机の引き出しやロッカーに常備しておいてはどうだろう。これは筆者の奥の手であり、サラリーマン時代(月刊誌『栄養と料理』編集者)に実践していた。

 さて、残業時に「主食になる食べ物を少しだけ補充」した場合に注意しなくてはならないことがある。それは、その日の「本来の夕食」のとき、「残業時に少量の補充をしたこと(と補充をした物)」を忘れてはならないことだ。往々にして、それを忘れて、普通の量と内容の夕食を食べてしまうことが多い。もちろん、それでは「食べ過ぎ」になるし、糖質のとり過ぎという「偏り」も生ずる。

 主食の役割をする物(ご飯・パン・麺類)を食べてあるのだから、夕食時にはその分だけそれを減らすこと。おにぎり1つはだいたいご飯1杯分に換算する。バナナ1本はだいたいご飯1/2杯分と考えよう。

phot バナナは速やかに血糖値を上げる単糖類を少量含み、やや時間をおいて血糖値を上げる二糖類を適量含み、そのあとにじっくりと血糖値を上げる多糖類をしっかり含んでいる(写真提供:ゲッティイメージズ)

著者プロフィール

佐藤達夫(さとう たつお)

食生活ジャーナリスト。1947年千葉市生まれ、1971年北海道大学卒業。80年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、95年より同誌編集長を務める。99年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。食生活ジャーナリストの会元代表幹事、日本ペンクラブ会員、元女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)。著書・共著書に『食べモノの道理』『栄養と健康のウソホント』『これが糖血病だ!』、『野菜の学校』など多数


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