一方、事業化に向けて課題も残る。篠田氏は「人員」「時間」「場所」の3つを挙げる。
実証実験では、参加店舗が少なかったため、スタッフ3人で商品を集めて回っていた。当然ながら、もっと規模を広げることを考えると、人を増やす必要がある。そうなると、TABETEの担当者だけで回すことは難しい。また、午後10時半という販売開始時間、従業員休憩室という販売場所だけでは、利用できる人が限られる。広い東京駅構内を歩いて買いに来ても、完売してしまうこともある。一方、売れ残りを販売するという趣旨から考えると、一気に販売機会を広げることも難しい。
少しでも利用しやすくするための方法の一つとして、「将来的には、予約などができる専用アプリも開発したい」(篠田氏)という。現在は「LINE@」を活用して、販売開始、その日の商品の写真、販売終了などを告知している。そういった機能を含めたアプリを提供して、利便性を高めたい考えだ。
今回の実証実験では、事業者と消費者双方に需要があるサービスであることが確認できた。今後は本格運用に向けて、オペレーションやシステムの構築を目指す。篠田氏は「全国のエキナカや商業施設に導入できるようにしたい」と意気込む。
レスキューデリのように、事業者が連携して食品ロス削減に取り組む動きは広がっている。レスキューデリは小売店舗を中心とした取り組みだが、食品の消費には、生産から流通、販売に至るまでさまざまな業界が関わっていることから、ロス削減のためには幅広い連携も鍵となりそうだ。
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