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女性管理職、増えない理由は? 「2020年30%」達成は外資系で17%、日系企業は……現状は「10%未満」

» 2020年03月09日 15時25分 公開
[ITmedia]

 2003年、政府は「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする目標」を掲げた。今年がその期限となるが、その現状は? 人材紹介会社のエンワールド・ジャパンが3月9日に発表した調査結果によると、この目標を「すでに達成」している企業は、外資系企業で17%、日系企業は8%にとどまった。

女性管理職「2020年30%」を達成している企業は?

 企業の人事・採用担当者にアンケート調査を行った。まずは「2020年30%」の目標について知っているか聞いたところ、「知っている」と回答したのは外資系企業で57%、日系企業で56%と、6割に満たなかった。

 目標について「知っている」と回答した人を対象に、「目標が達成できそうか」と聞くと、「すでに達成している」と回答した人の割合(外資系企業17%、日系企業8%)は、外資系と日系で開きがあった。「達成できそうな見込み」の回答と合わせると、外資系が34%、日系が23%だった。

女性管理職「2020年30%」目標は達成できそうか(=エンワールド・ジャパン調べ)

 従業員数別にみると、外資系、日系ともに、従業員数が少ない企業ほど「すでに達成している」の割合が高い傾向があった。100人未満の企業に絞ると、外資系では23%、日系でも20%がすでに目標を達成している。

 現在の「女性管理職の割合」については、日系企業では、女性管理職はいるものの「10%未満」だという企業が54%を占めた。外資系では「10〜29%」が最も多く40%だった。

現在の女性管理職の割合は?(=エンワールド・ジャパン調べ)

 この5年間で女性管理職が「増加した」という人に、どのように増やしたか聞いたところ、外資系企業では「昇格と採用の両方」が50%と最多だった一方、日系企業では「既存社員の昇格」が52%となり、登用方法が異なる傾向も見られた。

女性管理職をどのように増やしたか(=エンワールド・ジャパン調べ)

 女性管理職がなかなか増えない理由は何なのか。「女性管理職登用でネックになっていることはあるか」という質問に対しては、日系企業では60%、外資系企業で50%が「ある」と回答。具体的には、「管理職を任せられる女性の人材がいない、見つからない」が外資系、日系ともに最多だった。次点は、外資系では「性別を問わず、優秀な人を管理職にしたい」、日系では「管理職を任せたい女性が、管理職になる意思がない」だった。

女性管理職の登用でネックになっていること(=エンワールド・ジャパン調べ)

 調査は3月3〜5日にインターネットで実施。企業の人事・採用担当者447人が回答した(外資系企業60%、日系企業40%)。

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