先ほど、【7時間】の就業時間中、仕事した時間が【6時間】で、ゲームしていた時間が【1時間】なら【1時間】サボったことになる――と書いた。では、【7時間】の就業時間中、本来であれば【6時間】でできる仕事を【7時間】かかってやったのならどうか。【1時間】サボったことになるかというと、普通そうはならないだろう。「もっと効率的に仕事ができたんじゃないのか?」と上司に言われる程度で済む。
一方、【7時間】の就業時間中、普通【7時間】かかる仕事を【6時間】でやってしまったならどうか。工夫したことで【1時間】が余ることになる。上司に、「まだ1時間あるから、仕事できそうです。仕事ください」と進言するか。それとも、静かに時間が過ぎるのを待つのか。はたまた、「今日、任された仕事は終わったんだから、あとは好きなことをしてもいいじゃないか」と割り切るのか。
そんな時間を、「意味のあるサボり」に使ってみるのはどうだろうか。
オフィスで、両手を頭の後ろにあて、顔を天井に向けて「どうすればいいんだろう」と考えるポーズをしてみよう。10分ぐらいそうしていたら、間違いなく、「サボってないで仕事をしろ!」と上司に注意されるはずだ。窓の外をぼんやり見て、「この仕事の目的って何だろう? 今期の自分がやりたいこと、やるべきことに直結するんだろうか?」などと思いを巡らせても同じ。「ボーっとしてないで、手を動かせ、手を!」と叱られる。
こうしたしぐさは周りから「サボってる」と見えるかもしれないが、自分なりに考えをまとめるために時間をとっているだけだ。今すぐに売り上げが立ったり、利益になったりするものではないが、長期的な視野でみれば確実に会社へ好影響を及ぼす「サボり」のはずだ。
「何が目的なのか」「この成果を生み出すための重要指標はどんなものがあるだろう」と考える。このように、他人のではなく、自分のペースで考える時間を持つことは、現代においてとても大事だ。しかし、オフィスにいるとなかなかこうした時間をとるのは難しい。特に認知バイアスにかかりやすい人は、「距離をおく」「時間をおく」を意識した方がいい。「部長が言ってるから」「お客さまから頼まれたから」という理由で仕事をするのではなく、本質を見極めて仕事に着手しているか。冷静になって、考えるための時間が必要なのだ。この「考える」という時間を作るのには、テレワークは最適だといえる。
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