クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
連載
» 2020年04月06日 07時15分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:船からトラックまで 水素ラッシュを進めるトヨタ (1/5)

トヨタの水素戦略の中で、全ての中心にあるのは、MIRAIに搭載される燃料電池スタックだ。MIRAIはいわずと知れた燃料電池車(FCV)で、水素と酸素を反応させて発電するFCスタックを備えている。クルマ以外の燃料電池需要に対して、MIRAIのFCスタックの持つポテンシャルは大きい。

[池田直渡,ITmedia]

 だいぶ以前からそうではないかとは思っていたが、トヨタの辞書に「選択と集中」という言葉はやっぱりないらしい。コロナ騒ぎに気を取られている間に、無視できないリリースがどんどん出されていた。内容を見ると、中国の電気自動車メーカーBYDと提携して中国向けのEV開発を進める発表をしたかと思えば、パナソニックと車載用角形電池事業の新会社設立を発表している。

 すわトヨタはEVに全面的に注力するのかと思えば、自動運転でも相次いで新たなリリースを連発する。トヨタの自動運転ソフトウェア先行開発部門であるTRI-ADとダイナミックマップ基盤(DMP)が自動運転用の高精度マップの実証実験を発表。返す刀で、サイバーセキュリティ研究チームであるTencent Keen Security Lab(Keen Lab)から指摘されたコネクティッドカーの脆弱(ぜいじゃく)性への取り組みを発表した。

 未来的な話ばかりかと思えば、突如、塗着効率で世界一を実現などという、超現実的なレベルでのコストダウン手法を発表してみせたり、中古車の販売システムの大幅変更を発表したりと、まさにあらゆる方面に対して矢継ぎ早である。

 週刊ペースではとても消化しきれないほどの勢いで発表が続く。頑張って書いたとしても日刊トヨタジャーナルになってしまいそうだ。という中で、今回はトヨタが3連発で発表した水素関連の取り組みをまとめて書こうと思う。

世界で初めての自立エネルギー型燃料電池船「エナジー・オブザーバー号」
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