では、テクノロジーの力を借りればどんなことが可能になるのか。 人事や人材マネジメントの分野でテレワークに役立つテクノロジー領域を、喫緊の課題解決のための短期的視点、そして、テレワークが中長期化することによって想定される課題解決のための中期・長期視点でまとめたのが下記の図である。
短期的には、セキュリティを保持しながら在宅勤務がおこなえる環境を整えることが第一関門である。
既に多くの企業がトライをしているが、まずは、ビデオ会議やチャットツールといった遠隔コミュニケーションツールの利用、リモートアクセス等のテクノロジー導入を検討することになる。リモートアクセスについては、VPN(仮想プライベートネットワーク)の他、例えばCACHATTOのように、セキュリティを保持しながら私物PCやスマホから社内ネットワークに直接接続せずに簡易的に社内環境にアクセスできるようなツールもある。
そして、あわせて検討すべきは勤怠管理方法である。働き方改革関連法の施行で、大企業では2019年4月から、中小企業でも2020年4月から労働時間の把握義務が生じている。法律上の要請を満たすためであれば電子化にこだわる必要はなかったが、紙のタイムカードではテレワークの足かせとなってしまいかねない。
また、テレワークで仕事をするには、給与や契約関連、承認プロセスなど、その他の労務関連の資料・書類も電子化(ペーパーレス化)して共有することが前提となる。現在、押印や紙資料の確認のために出社せざるを得ないことが問題になっている。これらを支えるシステムがテレワークを支える基本的なインフラである。
そして、人事領域で目下喫緊の課題は2021年の新卒採用活動である。既にオンライン説明会やリモートOB・OG訪問等への切り替えが進んでいる。選考過程においても、これまでにも1次面接はHARUTAKAやHireVueといったデジタル面接ツール(Web・録画)に切り替える企業が出てきていたことから、1次面接であれば大きな支障なく置き換えることもできるのではないだろうか。
先進的な企業であれば、ここまでは現在でも取組みが進んでいることだろう。しかし、ここにきて事態が長引きそうな見通しとなり、テレワークの常態化に伴う現場のチームワークや人材マネジメント、人材育成への影響も考えなくてはならなくなってきている。
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