長期化するコロナショック レナウンの次に危ない有名企業とは?ダウンサイズ化は必至(4/5 ページ)

» 2020年07月03日 05時00分 公開
[大関暁夫ITmedia]

時限爆弾を抱えた企業は危ない

 ここで、個別の企業も見てみましょう。コロナショックの中でビジネス界に衝撃を与えたのが、アパレル業界老舗レナウンの経営破綻報道でした。このレナウンの経営破綻が示唆したものは、アパレル同業者の先行き不安以上に、業種問わず“時限爆弾”を抱えた企業にとってのコロナショックの恐怖ではないでしょうか。

 親子ゲンカ以降3期連続で赤字決算が続いた大塚家具は、20年4月期単独決算で4期連続かつ過去最大となる77億円の赤字を計上しました。一方で、同業のニトリがコロナ下でのテレワーク需要の取り込みやECサイトの売上増で増収増益となっているわけで、戦略的誤りは一層明確化した形です。現状のままなら、いよいよ今期末での上場廃止が確実で、19年に傘下入りしたヤマダ電機に見捨てられるか吸収されるか、風前のともしびです。

 もう1社気になるのは、個人指導トレーニングジムなどを経営するRIZAPです。乱買収を続けた多数の子会社整理で19年3月期には194億円の赤字を計上し、瀬戸健社長が「来期黒字にならなければ辞任」と公言していた同社ですが、コロナショック直撃で本業のジム事業や後発領域のゴルフ事業が軒並み苦戦し、20年3月期も60億円の赤字を計上しました。主力事業の業績不安に加えて子会社の売却・整理もままならず、先行きに不透明感を拭えません。

 加えて、三顧の礼をもって迎えた経営お目付け役の元カルビーCEOの松本晃氏に逃げられ、代わって招聘した元住友商事副社長かつシステム開発会社のSCSKで社長・会長を歴任した中井戸信英取締役にも、任期満了前に辞任されています。同社は3期連続でフリーキャッシュフローがマイナスであり、今後金融機関からの資金調達の重要性が増してくる中、レナウンと同じく相次ぐ経営面の不協和音は大きなマイナス要素であり、不安材料は尽きません。

苦戦続きで招聘した役員の辞任も相次ぐRIZAP。写真は松本晃氏(出所:ロイター)

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