「髪、切った? 似合ってるじゃないか」「へえー、こういう部屋に住んでるんだ」「後ろのクローゼット、開いてるよ」――それぞれ、ともすればハラスメントと見なされてもおかしくない発言だ。昨今、テレワークが普及することによって、さまざま存在するハラスメントの中に新たな「リモハラ(テレハラ)」という言葉が加わった。
内閣府が6月21日に発表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、今般の事態を受けてテレワークを経験した人は3割を超えた。「新しい生活様式」の下で着実にわれわれの働き方には変化が起こっている。ハラスメント体質の同僚がいれば、これまでであれば毎日オフィスで顔を突き合わせなければならなかったが、その必要がなくなったのだ。
しかしながら、職場を巡るハラスメントは完全になくなるまでには至っていない。最近でも、大手出版社の編集者がフリーランスのライターに対して、立場を悪用してハラスメントをしたケースや、大手アパレルの社長(現在は辞任)が従業員に対して執拗に関係を迫るケースが話題になった。
さらに、テレワーク中のハラスメントとしてリモハラという言葉が生まれているように、働き方が大きく変わってもハラスメントは残っている。また、上司と部下の間にはこれまで以上にあつれきが生じているようだ。ハラスメント対策の研修を専門にしているダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社調べによると、オフィスへ出社していた際と比較して、テレワーク中に上司とのコミュニケーションでストレスや不快感が「増えた」と感じた人の割合は6割を超えている。
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