社内稟議・決裁をスムーズに行う工夫とは:ワークフローシステム導入のポイント(2/4 ページ)
稟議手続きは、紙の稟議書とハンコによる決裁がセットになっていましたが、ワークフローシステムではそれらを電子的に実現します(図表2)。申請内容に応じた入力フォーマットの作成や承認ルートの設定さえきちんと行うことができれば、導入はそれほど難しくありません。
1ユーザー当たり数百円から導入できる簡易的なものや、グループウェア内でワークフローを設定できるものも増えており、イニシャルコスト・ランニングコストともに中小企業にも手が出しやすいものになってきています。 また、申請・承認が必要なものであれば、これまで稟議書の形式になっていなかったものについても幅広く適用することが可能です(図表3)。
ワークフローシステムを導入した場合のメリットは、図表4の通りです。
クラウドシステムが主流になってきたため、自社サーバを用意したり高価なパッケージを購入したりする必要がなくなり、中小企業でも導入が容易になりました。
大手企業などでは社内稟議・決裁のために電子印鑑システムを導入することもあるようですが、中小企業においてはそこまでの費用をかける必要はないでしょう。
スマートフォンやタブレットでも承認ができるワークフローシステムが主流になってきており、外出時等でも対応できるようになるため、ワークフローシステム導入のメリットはますます大きくなっています。
ワークフローシステムの導入により得られるメリットが分かる具体的な事例を2つ紹介します。
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