日本スタイルの世界への広がりは、日本カルチャーの成功と見える。しかしむしろそれは日本の厳しい未来を予感させる。日本だけと思われていたスタイルが日本の外でも実現できることで、日本の優位性は薄れ、競争が増す。
日本アニメの独自性は失われることはないが、極端な話、日本が競争で負けてそのスタイルだけが世界に残ることだってあるかもしれない。日本アニメは成功したからこそ、危機にある。
それでは日本アニメの未来はどこにあるのだろう。日本アニメのスタイルが国境を越えるなら、日本で作っている側も国境を越えればいい。日本アニメスタイルを作る人たちのコミュニティーで、国境を意識せずに作品を作ることは出来ないだろうか。
日本アニメは海外の才能・文化を受け入れ、作る場所も日本に限定しない。国際共同製作には失敗が多いとしたが、目指す方向性にぶれがないコミュニティーであれば、グローバルな共同作業は可能なはずだ。
映画の都ハリウッドの成功は、米国文化の拡散にあった。そこから世界の才能がハリウッドを目指し、ハリウッド文化の多くを外国人が受け継ぎ、作りだす。日本アニメも国境を越えた多くの才能とつながることで強く、豊かになっていくはずだ。
コロナ禍で「アニメ冬の時代」は到来するか――混沌の2020年代、3シナリオで占う
『ポプテピピック』の竹書房、米IT大手に著作権訴訟を挑む訳――日本漫画、世界の海賊版へ反撃の狼煙
コロナ禍転職不況、中でも「特に厳しい意外な人材」とは?――独自データで分析
「何でもスクショ」な若者と「いつでも電話」中高年の意外な共通点――日本特有の“使えない人材”とは
コロナ後もテレワーク、「オフィス消滅」企業が続々Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング