#SHIFT

新たに中途採用へ乗り出した「防衛省」 いったいどんな選考でどんな人を採用したのか?コロナ機にテレワークも進む(2/4 ページ)

» 2020年08月05日 05時00分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

防衛省、どんな仕事を担っている?

 そもそも、防衛省ではどういった業務を行っているのか。

 森田氏によると、まず根幹となるのが「情報収集」だ。国を守りぬくために必要な世界情勢など、あらゆる情報を収集し、さまざまな変化が日本にどう影響するのかを分析する業務を指す。そして、その情報を基に具体的な戦略・政策を立案する業務や、立案した戦略を実行するために必要となる部隊や装備品の調達も必要になる。さらに外交や、最近では頻発する災害時に隊員を派遣することも多い。

 森田氏は「安全保障の世界は10年単位で変化する」と話す。最近だと、14年にこれまでの「武器輸出三原則」に代わる「防衛装備移転三原則」が制定されたことなどが記憶に新しい。また、宇宙やサイバー領域、電磁波などこれまでになかった分野での安全保障の必要性も高まりつつある。

 「変化とともに、当然仕事の幅が広がる。最近はいろいろな国との付き合いも広がってきている。一生懸命やってはいるが、変化に対応する必要もある。そのために多様性のある組織を作りたいと考えた」と、中途採用に乗り出した背景を森田氏は話す。

コロナ受け、テレワークも進んだ

 とはいえ、防衛省が何も変化していないということではない。最近では民間企業におけるテレワークが話題だが、防衛省でもコロナ禍を機にテレワークが大きく進んだ。

 当然、機密文書など取り扱いに注意が必要なものに関しては持ち出しができないが、企画資料の作成であったり、他省庁との渉外業務に関しては在宅で行うことも増えた。緊急事態宣言が出てからは、1日ずつの交代制などで在宅勤務を行っているという。昨今話題の「紙とはんこ」については、「(業務の中で)紙を扱うことはやはり多い」と笑いつつ、プロジェクトチームを立ち上げて見直しを始めている。

 また、採用活動についてもコロナ禍を受けて、Webでの対応を中心にシフトしている。これまでも地方在住の学生などに対してWeb説明会などを行っていたが、面接などもWebで行っていく予定だ。

防衛省大臣官房秘書課の塚本諒太防衛部員。業務改革のプロジェクトチームも担当している

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.