当初は1〜2人の採用を想定していたが、最終的に入省したのは10人。年代としては30代、勤務先としては、金融やベンチャー、地方自治体に勤めていた人が多かったという。
今回が初となった防衛省の中途採用。やはり初めてことでもあり、困惑したところもあった振り返る。中でも、「多様性をどこまで認めるか」が難しかったと森田氏は話す。「多様性が重要とはいっても、組織に全くなじめなさそうな人を採用するのは、ミスマッチにもつながる。これまで新卒採用のものさししかもっていなかったため、その部分の見極めは大変だった」(森田氏)
また、新卒採用以上に「歩留まり」、つまりいかに辞退者を出さずに次のフローへと進んでもらうかやプロモーション活動にも苦労したと話す。その点は、人材サービスを運営するエン・ジャパンと協力した。入省者10人のうち、エン・ジャパン経由での入省者は6人と過半数を占めている。
今回の中途採用やコロナ禍を受けたテレワーク、採用活動のWeb化など、変革の動きが民間と比較して遅いとされる中央省庁でも、変化は着実に進んできている。しかし、それでもまだ「不合理な常識」が残っていると森田氏は話す。
「外から見れば変なことにもかかわらず、われわれのような新卒で入省し純粋培養されてきた側では変だと思わない『不合理な常識』はいまだに残っている。そうしたものごとに、しっかり『NO』と言ってほしい」(森田氏)と今回の中途採用入省者に期待を寄せた。
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