駅や車内で仕事をする人には、仕事の内容を人からのぞかれることが課題となっていた。例えば、開いている書類やPCの画面を見ると、どんな仕事をしているのか分かってしまう。駅内のテナントにあるカフェでも同様だ。
一方、鉄道会社側にも課題はあった。例えば、外出先で仕事をする人のためにテナントでカフェを誘致しても、その他の目的でやって来る人が多く、いつも混雑している状況があった。また、新幹線の指定席などではいいものの、通勤電車の狭いシートや、ホームのベンチなどを長く占有されたり、狭いスペースでほかの人の邪魔になったりといった問題があった。
これをどう解決するか、といった問題意識がある一方で、これをどうビジネスにつなげていくか、という考え方も登場してきた。その状況で、シェアオフィスというアイデアが生まれてきた。オフィス空間を多くの人で共有し、使った人は使用状況にあわせてお金を払う。よく見られるのが、ビルの一室を使用したものである。Wi-Fiを完備し机やいすを備え、使用した時間ごとにお金を払う、という形式だ。PCは自ら持ち込む。
鉄道会社でみると、東急はそういった事業を行っている。しかしこれだと、鉄道と緊密に結びついた業態とは、ならない。もちろん、鉄道の混雑緩和のために自宅近くのシェアオフィスを使用する、という考えはアリだが、鉄道が抱える問題点を解決することにはならず、鉄道事業との戦略的なシナジーも難しい。
では、鉄道会社が行うシェアオフィスとしてどんなものが戦略的に正しいのか。JR東日本がひとつの答えを出した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング