カレー店を増やすのは難しいのに、なぜ「100時間カレー」は急増しているのか水曜インタビュー劇場(欧風公演)(6/6 ページ)

» 2020年09月02日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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レストラン区画で苦戦

土肥: 100時間カレーの出店を見ていると、立地のうまさを感じました。イートインは住宅街や駅から少し離れたところが多いですが、ポスティングや口コミなどの影響で、集客に成功している。新型コロナの影響を受ける前は、フードコートでも売り上げを伸ばしていた。また、デリバリーでも強さを発揮している。その一方で、うまくいかなかったケースもあったのではないでしょうか?

今後の出店戦略は?

素谷: 商業施設内のレストラン区画に出店したことがありまして、ここはうまくいきませんでした。40坪ほどのスペースで、従来の店と同じスタイルでやってみたんですよね。しかし、ダメ。なぜか。フードコートの場合、「ワタシはカレー」「オレはうどん」といった形で、それぞれが好きな商品を選ぶことができますよね。しかし、レストランという形で店を構えると、店内に入ったお客さんはカレーを食べなければいけません。

 「カレーは好きだけれど、ちょっと違うモノも食べたいなあ」と思っても、メニューが少ないんですよね。トッピングは用意していますが、それで満足することは難しい。例えば、ラーメン店はどうか。ラーメンのほかにも、ギョーザもあれば、チャーハンもあれば、から揚げもある。中華のメニューを用意できるので、多様なニーズを満たすことができる。一方のカレー店はどうか。当社の場合、カレーしかない。ということもあって、「どの店にしようかな」と迷ったときに、選択肢の中になかなか入らなかったのかもしれません。

メニューを充実させる方針だという

土肥: では、レストラン区画での出店は諦める?

素谷: いえいえ。夜に行っても満足できるように、付加価値を高めていかなければいけません。ズバリ、メニューの充実ですね。

土肥: 今後の出店立地は、どのようなところを考えていますか?

素谷: 駅前の一等地に出店することを考えています。新宿といった人の流れが多いところだけでなく、カレー店が多い秋葉原など、激戦区でも挑戦していきたいですね。

(終わり)

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