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» 2020年09月14日 08時43分 公開

いびつな状況:「中堅社員の小粒化」は、問題の設定が間違っている (1/2)

リクルートマネジメントソリューションが「管理職層が考える組織課題」に関する調査を実施し、その結果を発表した。それによると……。

[川口雅裕,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

 組織人事コンサルタント (コラムニスト、老いの工学研究所 研究員、人と組織の活性化研究会・世話人)

 1988年株式会社リクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報および経営企画を担当。2003年より組織人事コンサルティング、研修、講演などの活動を行う。

 京都大学教育学部卒。著書:「だから社員が育たない」(労働調査会)、「顧客満足はなぜ実現しないのか〜みつばちマッチの物語」(JDC出版)


 リクルートマネジメントソリューションズが8月に発表した、「管理職層が考える組織課題」に関する調査がある。事業本部長、部長、課長級の管理職層を対象に、会社の組織課題について聞いたものだ。

 それによると、会社の組織的課題として最も多くあがったのが「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」で69%、次いで「中堅社員が小粒化している」(68%)、「次世代の経営を担う人材が育っていない」(67%)となっている。いずれも7割程度にのぼっており、現在、企業が抱えている3つの組織課題ということになる。

 これを見ると、企業組織には大変にいびつな状況が生まれていると思わざるを得ない。

 まず、1位になった「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」とは、回答した管理職、自分たちの負担が過重だと言っているのと同じである。いろいろな役割、業務が自分たち中間管理職に集まってきていて大変だ。昔の管理職に比べると、今の管理職は割に合わない。中間管理職に対する期待は、自分のキャパシティーを超えている。経営陣や若い社員たちに比べて、中間管理職の業務はキツすぎる。そんなところだろう。

 次の「中堅社員が小粒化している」では、“中堅”というのが明確ではないのだが、回答者したのが管理職層だからその下のマネジャー昇進前、大企業では30歳代中盤か後半あたりのことを指していると思う。“小粒化”の意味もあいまいだが、昔と比べて枠を出ない、大人しい、挑戦しない、従順だ、内向きだ、といったイメージだろうか。いずれにしても、管理職の約7割がすぐ下の世代の部下たちをこのように評価し、物足りなく思っているということだ。

 この2つを重ねて読めば、次のようになる。「自分は過重な負担を強いられているのに、すぐ下の部下は小粒で役に立たない。」「自分たちやその先輩たちは“大粒”だったが、若い世代は“小粒”である。」「若い世代の小粒化が原因で、自分たちにはキャパシティーを超えるほどの役割が求められてしまっている。」しかし、これに同意する中堅社員はほとんどいないはずだ。中堅社員は、“小粒”な振る舞いをさせられている状況を指摘して反論するし、“小粒化”している根本的な理由が見えている者もいるだろう。そこには、管理職層と中堅社員層の階層対立、世代間対立が見えてくる。

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